“恐々”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
こわごわ67.2%
こわ/″\11.5%
こは/″\6.6%
おそるおそる4.9%
おずおず3.3%
おそる/\1.6%
きょうきょう1.6%
こわこわ1.6%
キョウキョウ1.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それは殺害された松川博士からきた手紙だ、死んだ者からきた手紙、——ぞっとした理学士、「…………」恐々こわごわ後ろを振り向いた。
幽霊屋敷の殺人 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
「ソンナニ恐々こわ/″\拭カナイデ、モット手ニカヲ入レテシッカリト。ア、オ爺チャン左ガ駄目ナノネ、右ノ手デ一生懸命キュー/\トこすッテヨ」
瘋癲老人日記 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
誰か気づきはしなかつたかと恐々こは/″\ながら見廻せば、そんな様子もなし、あゝ危いかな、君子危きに近寄らず、こんな所は早く出るに若かずとそこ/\に喫煙室を廊下に出る時
燕尾服着初めの記 (新字旧仮名) / 徳冨蘆花(著)
お勢は近属ちかごろ早朝より駿河台辺するがだいへんへ英語の稽古けいこに参るようになッたことゆえ、さては今日ももう出かけたのかと恐々おそるおそる座舗ざしき這入はいッて来る。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
プラスビイユの前に現われたのはクラリス・メルジイのみならず、その背後うしろには古ぼけた七ツ下りのフロックを着けた紳士が恐々おずおずと随いて来た。
水晶の栓 (新字新仮名) / モーリス・ルブラン(著)
僕は恐々おそる/\頭を上げて見た。広々とした大洋が向うの下の方に見える。その水はインクのやうに黒い色をしてゐる。僕は直ぐにヌビアの地学者の書いたものにあるマレ・テネブラルムを思ひ出した。
うづしほ (新字旧仮名) / エドガー・アラン・ポー(著)
と、恐々きょうきょうながら、何か片手の物をつき出して、哀訴にかかった。
「おお恐々こわこわ!」と大仰に云ったが、妾のお蔦は寄り添うようにした。「でも殿様に似合うのは、そういう風じゃアありませんわね」
十二神貝十郎手柄話 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
超人チョウジンケル小心ショウシン恐々キョウキョウヒトワライナガラ厳粛ゲンシュクノコトヲカタレ、ト秀抜真珠シュウバツシンジュ哲人テツジンサケンデ自責ジセキ狂死キョウシシタ。
創生記 (新字新仮名) / 太宰治(著)