“恐怖”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
おそれ37.2%
きょうふ19.5%
きようふ14.0%
こわ6.7%
おっかね3.0%
おっかな2.4%
おそろ1.8%
こわごわ1.8%
おそる1.2%
おそろし1.2%
おそろしさ1.2%
きやうふ1.2%
くふ1.2%
おそ0.6%
おじおそ0.6%
おずおず0.6%
おびえ0.6%
けうふ0.6%
こは/″\0.6%
こわい0.6%
こわがら0.6%
クフ0.6%
ザ・テラー0.6%
テロル0.6%
パニック0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
あとではむしいるまでも羞恥はぢ恐怖おそれとそれから勘次かんじはゞかることからつてきた抑制よくせいねんとがあわてゝもきらせるのであつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
が、資本だの搾取さくしゅだのと云う言葉にある尊敬——と云うよりもある恐怖きょうふを感じていた。彼はその恐怖を利用し、度たび僕を論難した。
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
大阪屋は、さういふおきみから、恐怖きようふに似た壓迫を感じたらしく、妙にへどもどしたが、それを拂ひ除けるかのやうにまた叫んだ。
天国の記録 (旧字旧仮名) / 下村千秋(著)
廊下人無き処にて秀は読過一遍、「ああ、そうだ。おお、恐怖こわいことね。早速お暇を頂こう。ちょうど可い久濶ひさしぶり祖母様おばあさんの顔も見られる。」
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
御串戯ごじょうだんで、中へ入ると、恐怖おっかねえ、その亡くなった奥さんのこつがあるんじゃありませんかい。)
唄立山心中一曲 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
何もそう、顔色がんしょくを変えて恐怖おっかながる事もありますめえ。病気で苦しんでる処を介抱してやったといえばそれ迄のことだ。
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
まとひを振り立てたりしてけ付けた時の恐怖おそろしさが、ツイ近頃のことのやうに、小池の胸にいて來た。
東光院 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
つちで庭掃く追従ついしょうならで、手をもて畳を掃くは真実まこと。美人は新仏しんぼとけの身辺に坐りて、死顔を恐怖こわごわのぞ
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
獄舎ろうやつながれるなどうことは良心りょうしんにさえやましいところいならばすこしも恐怖おそるるにらぬこと、こんなことをおそれるのは精神病せいしんびょう相違そういなきこと、と、かれみずかおもうてここにいたらぬのでもいが
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
がしかしその男がこの時ばかりは「きみ実際恐怖おそろしかったよ」と顔色を変えて私にはなしたくらいだから、当人は余程凄かったものだろう
暗夜の白髪 (新字新仮名) / 沼田一雅(著)
噫、俺はアノ穴を見る恐怖おそろしさに耐へきれなくなつて、坑道の入口から少し上の、ちつと許り草があつて女郎花をみなへしの咲いた所に半日寝転んだ。
病院の窓 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
下人は、六分の恐怖きやうふと四分の好奇心とに動かされて、暫時は呼吸いきをするのさへ忘れてゐた。舊記の記者きしやの語を借りれば、「頭身とうしんの毛も太る」やうに感じたのである。
羅生門 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
「……菩提薩埵ぼだいさった、般若波羅蜜多に依るが故に、しん罣礙けげ無し、罣礙無きが故に、恐怖くふ有ること無し」
小説 円朝 (新字新仮名) / 正岡容(著)
ことこの印度洋インドやうでは是等これら苦難くなんほかに、今一個いまひとつもつと恐怖おそき『海賊船かいぞくせん襲撃しゆうげき』といふわざわいがある。
女と云わず男と云わず老人であれ子供であれ人間と名のつく生物いきものは「姿の見えない人攫ひとさらい」を妖怪のように恐怖おじおそれた。
物凄き人喰い花の怪 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
ちと、恐怖おずおずの形で、先ず玄関をのぞいて、書生が燈下に読書するのを見て、またお邪魔に、と頭から遠慮をして、さて、先生は、と尋ねると、前刻御外出。奥様おくさんは、と云うと、少々御風邪の気味。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
はたして如何いかなる驚愕きようがく恐怖けうふとを※國ばんこく海軍社會かいぐんしやくわいあたへるであらうか。
耄碌頭巾に首をつゝみて其上に雨を凌がむ準備よういの竹の皮笠引被り、鳶子とんび合羽に胴締して手ごろの杖持ち、恐怖こは/″\ながら烈風強雨の中を駈け抜けたる七藏おやぢ、やうやく十兵衞が家にいたれば
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
それがというと、私の胸にあることを、人に見付かりやしまいかと、そう思うから恐怖こわいんだよ。
化銀杏 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
だろうというのがいつかそうだとなり、彼は義賊だと云いふらす者も出来て、正体の分らない人に人気が出ましてね、一方では恐怖こわがられ、一方では慕われるという矛盾した状態ありさまにまでなったんです。
耳香水 (新字新仮名) / 大倉燁子(著)
大なる恐怖クフの声なして
四八 黄泉路 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
ジョン・フランクリン卿の探検船「恐怖ザ・テラー」号の残骸が、朽ちくさった果ての肋骨のような姿をみせ、百年ばかりのあいだ海鳥の巣になっている。
人外魔境:08 遊魂境 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
「しかし、あの人の実在するということが、わたしにとっては衝動ショックでもあり、恐怖テロルでもあるのです。あなたがもし私の場合であったらばどう感じられますか。まあ、想像してごらんなさい」
毎日々々隣近処の若者が戦線へ消えて、重い靴の音が、長いながい列を作って窓の下につづいていた。戦争とそのあとの、あの誰でもがめた恐怖パニック良人おっとの商業は犬へ行った。