恐怖きやうふ)” の例文
下人は、六分の恐怖きやうふと四分の好奇心とに動かされて、暫時は呼吸いきをするのさへ忘れてゐた。舊記の記者きしやの語を借りれば、「頭身とうしんの毛も太る」やうに感じたのである。
羅生門 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
そこで乾燥かんさうした枯葉かれはすこしのことにさへあひつてさや/\とたがひ恐怖きやうふ耳語さゝやくのである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)