“少”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
すこ24.3%
すくな23.2%
わか15.3%
すく14.7%
すこし4.4%
ちい3.0%
2.1%
ちつ1.6%
ちっ1.3%
しば1.0%
ちいさ0.9%
0.7%
ちひ0.7%
せう0.6%
しばら0.6%
まれ0.6%
0.4%
ちひさ0.4%
わけ0.3%
わかき0.3%
すくの0.3%
すけ0.3%
ずく0.3%
わかい0.3%
オト0.3%
ワカ0.3%
いさゝ0.1%
いとけ0.1%
おさな0.1%
すくね0.1%
ちいさい0.1%
ちつと0.1%
ちと0.1%
ちひせ0.1%
ちッ0.1%
わこ0.1%
をさな0.1%
ウス0.1%
オトヲ0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
姿すがた婀娜あだでもおめかけではないから、團扇うちは小間使こまづかひ指圖さしづするやうな行儀ぎやうぎでない。「すこかぜぎること」と、自分じぶんでらふそくにれる。
深川浅景 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
離婚をして双方幸福の生涯に入った人もすくなくないと存じます。そういう場合には社会はその人たちの離婚を賀してもよろしいでしょう。
離婚について (新字新仮名) / 与謝野晶子(著)
これが真新しいので、ざっと、年よりはわかく見える、そのかわりどことなく人体にんていに貫目のないのが、吃驚びっくりした息もつかず、声を継いで
灯明之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
温泉をんせんかうとして、菊屋きくや廣袖どてら着換きかへるにけても、途中とちう胴震どうぶるひのまらなかつたまで、かれすくなからずおびやかされたのである。
魔法罎 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
お前が居無いなくなッた時の様に怒ッたゞろう、私まで叩き出すッて、チイ/\パア/\言たがネ、腹立はらたった時やアすこしも分らんネ、いうことが
無惨 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
人々の伺候する広い部分には、片隅にちいさい炉が仕切ってあって、その周囲に座を占めながら敷居越しに御前様と四方山の話をする。
御殿の生活 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
四角な台石の上に大理石の丸いのとはとしゃれ過ぎたがなかなか骨は折れて居る。彼らが死者に対して厚いのは実に感ずべき者だ。
(新字新仮名) / 正岡子規(著)
「あゝとこだ、よう、おつぎ、ちつ此處ここまでてくんねえか」といつた。かれ百姓ひやくしやうあひだにはうまいてある村落むら博勞ばくらうであつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
清「それはくねえ、ちっせえ子供じゃアねえし、十七八にもなったものゝ横ぞっぽを打殴ぶんなぐったりしねえで、それより出すは造作もねえ」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「まあ、さやうでございますか。」とおくみはたゞつゝましやかにさう言つて、しばらく椅子のはしにかけてお給仕についてゐた。
桑の実 (新字旧仮名) / 鈴木三重吉(著)
お前はちいさい時分から小三郎に許嫁をしたもの故、お父様とっさまが浪人しても、忰の方へお前を貰おうと、其の相談もしたいと思って居ったが
大洞は、色を失つて戦慄せんりつするお加女の耳にちかづきつ、「こし気を静めさして今夜の中にそつと帰へすがからう——世間に洩れては大変だ」
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
をけあなより入れさするに安五郎かたじけなしと何心なく饅頭まんぢうを二ツにわるに中にちひさくたゝみし紙ありければ不審ふしんに思ひひらき見るに
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ところで、どういふわけで、そんな子ともの私が寫眞しやしんなどはじめるやうになつたかといへば、そのころわたしは、三宅克巳氏ちよの「せう寫眞術しやしんじゆつ
「やつとおやすみなすつた。かういふ小さいお子さん一人にでも随分手がかゝるんですから、これからしばらくの間お気の毒でございますね。」
桑の実 (新字旧仮名) / 鈴木三重吉(著)
師門の授受の如きに至りては、膠固かうもとより已に深し。既に自ら是として人非とし、また見ることまれにして怪しむこと多ければ、之を非とせんと欲するも未だかつて縄尺じようしやくそむかず。
文芸鑑賞講座 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
しかし雪江の詩に「酒家蕭索遊人少。」〔酒家蕭索トシテ遊人ク〕といい、「雲際有時微吐月。」〔雲際時有リテほのカニ月ヲ吐ク〕というが如き句がある。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
それらの事情がその後土井が読んだドウデエの「ちひさなやくざもの」に、よく似てゐるのであつた。
(新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
けばくほど、へい、なんともひやうはねえ。けんども、お前様めえさま、おわけえに、くらゐことに、おとさつしやるもんでねえ。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
はじめ、月なし、此の時薄月うすづきづ。舞台あかるく成りて、貴夫人もわかき紳士しんしも、三羽の烏も皆見えず。天幕テントあるのみ。
紅玉 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
世間でも長二という名人のあった事を知っている者がすくのうございますから、残念でもありますし、又先頃弁じました名人くらべのうち錦の舞衣まいぎぬにも申述べた通り
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
れはうなくてはならない、孝助殿の思うにはなんぼ自分が怜悧りこうでも器量があるにしたところが、すけなくもろくのある所へ養子にくるのだから土産みやげがなくてはおかしいと云うので
健三は次第に言葉ずくなになった。しまいには黙ったなりじっと島田の顔を見詰た。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
トタンにかまち取着とッつきの柱にもたれた浅黄あさぎ手絡てがら此方こっちを見向く、うらわかいのとおもてを合わせた。
三尺角 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
其秀起カノホダたる浪の穂の上に、八尋殿てゝ、手玉タダマもゆらにハタ少女ヲトメは、是誰が女子ムスメぞ。」答へて曰はく、「大山祇神の女等、は磐長姫とナノり、オトは、木華開耶姫とナノる。」……(日本紀一書)
水の女 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
「貧人富みを致し、老人ワカきに還らむ」と託宣した神の御正体ミシヤウダイは、蚕の様な、橘や、曼椒ホソキに、いくらでもやどる虫であつた。
妣が国へ・常世へ (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
吾人も亦田口君に於てかくの如く言ふの権利を有す。今日に於て許多の便宜を有する人々の眼より見れば、彼はいさゝかの学問を有する人の如く見ゆべし。彼文字は美文的の技術に乏しきが如く見ゆべし。
明治文学史 (新字旧仮名) / 山路愛山(著)
もつともいとけなしといへども、のちおのづから設得まうけえんと。はたせるかなひととなりて荊州けいしう刺史ししとなるや、ひそか海船かいせんあやつり、うみ商賈しやうこ財寶ざいはう追剥おひはぎして、とみいたすことさんなし。のち衞尉ゑいゐはいす。
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
桑生そうせい泝州そしゅうの生れであって、名はぎょうあざな子明しめいおさない時に両親に死別れて紅花埠こうかほという所に下宿していた。
蓮香 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
何処どけへ売ってもじきに知れちまい、世の中にすくねえものだから、当分質に置くことも、売ることもほかへ預けることも出来ねえ品で、預けたところが直に足が附くから
松蟲の鐘をちいさいしもくにて、手の内に鳴せ、孫四郎節のねんぶつ滿々みち/\て、後生願ひ願のさかんなる時なれば此等の聽受の多、にぎやかなるもことわり
女順禮 (旧字旧仮名) / 三田村鳶魚(著)
高の知れたる蚯蚓膨みゝずばれに一日なりとも仕事を休んで職人共のかみに立てるか、うぬちつとも知るまいがの、此十兵衞はおろかしくて馬鹿と常〻云はるゝ身故に職人共が軽う見て
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
あらふ樣子なれどもくらき夜なれば確とも知れずさむさはさむし足早に路次口へ來て戸をたゝくに家主勘兵衞は口小言くちこごとたら/\立出たちいで今夜こんやは常よりも遲かりしぞ以後はちと早く歸る樣に致されよと睨付ねめつけて木戸を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「孫右衛門どんのかきねの処の阪で、寝反つたまゝ何うしても起きねえだ。おらあ何うかして起すべい思つて、孫右衛門さんとこへ頼みに行つただが、ちひせあまばかりで、何うする事も為得しえねえだ」
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
こんなのは単純な性慾の発動というもので、恋ではない、恋はもちッと高尚な精神的の物だと、高尚な精神的の人は言うかも知れん。然うかも知れん。唯私のような平凡な者の恋はいつも斯うだ。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
優善は渋江一族の例を破って、わこうして烟草タバコみ、好んで紛華奢靡ふんかしゃびの地に足をれ、とかく市井のいきな事、しゃれた事にかたぶきやすく、当時早く既に前途のために憂うべきものがあった。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
君もし血気の壮士なりとせんか、まさ匕首あひくちを懐にして、先生を刺さんと誓ひしなるべし。その文を猥談と称するもの明朝に枝山しざん祝允明しゆくいんめいあり。允明、字は希哲きてつをさなきより文辞を攻め、奇気はなはだ縦横なり。
八宝飯 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
……だが、おおよその捜索方針スンポウはきまったらしい。本庁の意見も一致した。現場の証拠はウスいが部屋の手のつけかたから見て、初犯の手口だということになった。
金狼 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
天孫又問曰、其於秀起浪穂之上ホダタルナミノホノウヘタテ八尋ヤヒロ殿而、手玉玲瓏織紝タダマモユラニハタオル少女ヲトメ者、是之女子耶ガヲトメゾ。答ヘテハク、大山祇神之女等。エヲ磐長姫オトヲ木華開耶姫
たなばたと盆祭りと (新字旧仮名) / 折口信夫(著)