“何処”のいろいろな読み方と例文
旧字:何處
読み方割合
どこ72.3%
いずこ11.3%
いずく3.4%
いづこ3.3%
いづく2.4%
どっ1.5%
どちら1.1%
どけ0.9%
どっか0.5%
どこか0.4%
どれ0.3%
どっこ0.3%
いずれ0.2%
どつ0.2%
どっち0.2%
イズコ0.2%
イヅク0.2%
ドコ0.1%
どッ0.1%
いずかた0.1%
いずれのところ0.1%
いずれのところか0.1%
いづ0.1%
いづち0.1%
かしょ0.1%
こゝ0.1%
そこ0.1%
どく0.1%
どご0.1%
どち0.1%
どつか0.1%
どつけ0.1%
どつこ0.1%
ほか0.1%
クークー0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「往来で物を云いかける無礼な奴(やつ)」と云う感情を忽(たちま)ち何処(どこ)へか引込めてしまって、我知らず月給取りの根性をサラケ出したのである。
途上 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
遠くには、町の家根(やね)が見えた。その彼方には、高い国境(くにざかい)の山々が連(つらな)って見えた。淋しい細い道は無限に何処(いずこ)へともなく走っている。
凍える女 (新字新仮名) / 小川未明(著)
何処(いずく)よりか来りけん、忽(たちま)ち一団の燐火(おにび)眼前(めのまえ)に現れて、高く揚(あが)り低く照らし、娑々(ふわふわ)と宙を飛び行くさま、われを招くに等しければ。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
唯その人を命として、己(おのれ)も有らず、家も有らず、何処(いづこ)の野末(のずゑ)にも相従(あひしたが)はんと誓へるかの娘の、竟(つひ)に利の為に志を移さざるを得べきか。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
大伴旅人の歌に、「此処にありて筑紫(つくし)や何処(いづく)白雲の棚引く山の方(かた)にしあるらし」(巻四・五七四)というのがあって、形態が似ている。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
虚言(うそ)を吐(つ)いて……革財布は彼方で入用(いりよう)とはなんだ、ちゃんと此処(こゝ)に百金届いていますよ……其の百両の金は何処(どっ)から持って来たんだ
文七元結 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
今たしかには覚えていないが、兎(と)に角(かく)、途中で逢っても、「今日(こんにち)は」「や何処(どちら)へ」と云う位の知合にはなっていた。
友人一家の死 (新字新仮名) / 松崎天民(著)
ちと長い旅行でもして帰って来る姿(すがた)を見かけた近所の子供に「何処(どけ)へ往ったンだよゥ」と云われると、油然(ゆうぜん)とした嬉しさが心の底(そこ)からこみあげて来る。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎、徳冨蘆花(著)
「皆様(みなさん)お早う御座います」と挨拶するや、昨日(きのう)まで戸外(そと)に並べてあった炭俵が一個(ひとつ)見えないので「オヤ炭は何処(どっか)へ片附けたのですか」
竹の木戸 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
或る日私はね、揺籠(ゆりかご)に乗ったままお庭の何処(どこか)へ置かれていたのよ。私の頭の上には広い広い青い幕が丸く一ぱいに広がっていたのよ。
レモンの花の咲く丘へ (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
治「へえ、殿様はお逝去に……官員さまで在らっしゃいましたか、何処(どれ)へお勤めなさいましたので」
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
私は何処(どっこ)にも出ることが出来ないの………じゃアね奥の六畳の方へ(下女の方をふり向きて)もうお帰りになったろう………汚れて居るか………あゝ、じゃ縁側附の方が宜かろう
松と藤芸妓の替紋 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
退省(ひけ)て下宿へ帰る、衣服を着更(きかえ)る、直ぐ何処(いずれ)へか遊びに出懸けて、落着て在宿していた事は稀(まれ)だという。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
「俺もお蔭で三役に入つたよ。こゝに五十円ばかしあるから、以前の朋輩衆と何処(どつ)かで一杯やつて呉れないか、ほんの心祝ひだからな。」
此の道は左右が谷川で、一騎打(きうち)で何処(どっち)へ往(ゆ)くことも出来ません。
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
(如何ナル騒乱ニ立チ至ルラン。春日明神(カスガミョウジン)ニ祈念シテ、何処(イズコ)ヘモ逃ゲズ、タダ運命ヲマカスノミ)
日本名婦伝:静御前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
何処(イヅク)にか 船泊てすらむ。安礼(アレ)ノ崎 漕ぎ廻(タ)み行きし枻(タナ)なし小舟(黒人——万葉巻一)
叙景詩の発生 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
郎女の心に動き初めた叡(サト)い光りは、消えなかつた。今まで手習ひした書巻の何処(ドコ)かに、どうやら、法喜と言ふ字のあつた気がする。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
何処(どッ)かの人が狗(いぬ)を棄(すて)てッたと、私は二三度反覆(くりかえ)して見たが、分らない。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
腹に充(み)たして後はまた何処(いずかた)へか消え去るなり。
妖僧記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
松魚時節酔湘※(しょうれいによう)。衆葉如煙入眼青(けむりのごとくまなこにいって)。不寐思君過夜半(いねずしてきみをおもいやはんをすぐ)。天辺何処(いずれのところか)子規亭。(五月三十日)
病牀六尺 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
たゆひ潟潮満ちわたる何処(いづ)ゆかも愛(かな)しき夫(せ)ろが吾許(わがり)通はむ (同・三五四九)
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
然るに、巻十四、東歌(あずまうた)の挽歌の個処に、「愛(かな)し妹を何処(いづち)行かめと山菅(やますげ)の背向(そがひ)に宿(ね)しく今し悔しも」(三五七七)というのがあり、二つ共似ているが、巻七の方が優っている。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
何にしても何処(こゝ)に居ては事面倒だから、至急前橋か高崎まで下(さが)るが、貴公此の女を見捨てずに生涯女房にして遣んなさい……またお前も治平殿方へ嫁付(かたづ)いたら、もう斯様(こん)な浮気を為(し)ちゃアならんぜ
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
見知越(みしりごし)の仁(じん)ならば、知らせて欲(ほし)い、何処(そこ)へ行って頼みたい、と祖母(としより)が言うと、ちょいちょい見懸ける男だが、この土地のものではねえの。越後(えちご)へ行(ゆ)く飛脚だによって、脚(あし)が疾(はや)い。
国貞えがく (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「や、Sさん、何処(どく)さん行かしたかと思っとった。此処(こけえ)来とらしたたい。」
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
これからまたここへ一遍(いっぺん)帰って十一時には向(むこ)うの宿(やど)へつかなければいけないんだ。「何処(どご)さ行ぐのす。」そうだ、釜淵(かまぶち)まで行くというのを知らないものもあるんだな。〔釜淵まで、一寸(ちょっと)三十分ばかり。
台川 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
「先程(さっき)お嬢さまと何処(どち)らへか」
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
何処(どつか)で投げつけるやうな
東京景物詩及其他 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
『何処(どつけ)え行(く)、何処(どつけ)え行(く)!』
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
はてね、まあ、どうもお出掛になる訳は無いので御座いますけれど、家中には何処(どつこ)にもゐらつしやらないところを見ますと、お出掛になつたので御座いますかしらん。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
然らば学校にいる時に最注意することは、技術芸能でなくて人生の理想を養うことである。飯をたいたり漬物をつける位は何処(ほか)でも習える。然れど理想は学校でなくば容易に得られぬ。
女子教育に就て (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
何処(クークー)、何処(クークー)とばかり啼(な)いていた。
ルバイヤート (新字新仮名) / オマル・ハイヤーム(著)