“何処”のいろいろな読み方と例文
旧字:何處
読み方割合
どこ71.8%
いずこ11.2%
いずく3.5%
いづこ3.3%
いづく2.4%
どっ1.6%
どちら1.2%
どけ0.9%
どっか0.5%
どこか0.5%
どれ0.3%
どっこ0.3%
いずれ0.2%
どつ0.2%
どっち0.2%
イズコ0.2%
イヅク0.2%
ドコ0.1%
どッ0.1%
いずかた0.1%
いずれのところ0.1%
いずれのところか0.1%
いづ0.1%
いづち0.1%
かしょ0.1%
こゝ0.1%
そこ0.1%
どく0.1%
どご0.1%
どち0.1%
どつか0.1%
どつけ0.1%
どつこ0.1%
ほか0.1%
クークー0.1%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
したがって珍らしいものではなく、たくさん作られるもの、誰もの目に触れるもの、安く買えるもの、何処どこにでもあるもの、それが民藝品なのです。
民芸とは何か (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
父 今度もまた落ちてしまつたとさ。すると如何いかにもはづかしさうに長いを垂らしたなり、何処どこかへ行つてしまつたとさ。
虎の話 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
ところが、意外のことに、人魚は一夜のうちに何処いずこかへ消え失せ、余は二人の日本青年と、これも嬰児えいじを二人拾い上げたにすぎなかった。
人魚謎お岩殺し (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
里川さとがわの流れ迢々ちょうちょうたるも目に浮び、何処いずこよりか風のもて来る余韻悲しき、村少女むらおとめの恋の小唄も耳にる。
いわんやその廃墟も前期後期のみでありまして、中葉期建築に至っては今日世界の何処いずくにも、その廃墟すら見出すことができ得ないのであります。
ウニデス潮流の彼方 (新字新仮名) / 橘外男(著)
七つ糸の唐桟とうざんついに、献上博多けんじょうはかたの帯をしめた彼を見ては、黒死館における面影など、何処いずくにも見出されないのである。
人魚謎お岩殺し (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
彼のたるダイアモンドはさせる大いなる者ならざれど、その棄去りし人の誠は量無はかりなきものなりしが、嗟乎ああ、今何処いづこに在りや。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
そこぞと思ふ天井も、一面に黒み渡りて、年経としふる血の痕の何処いづこか弁じがたし、更科さらしなの月四角でもなかりけり、名所多くは失望の種となる。
妖怪年代記 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
けたたましく自動車の鳴りぜる音、咽喉太のどぶとの唸り笛さへり霜の夜凝よごりに冴えて、はた、ましぐらに何処いづくへか駈け去りぬ。
「なう/\あれなる御僧ごそうわが殿御かへしてたべ、何処いづくへつれて行く事ぞ、男返してたべなう、いや御僧とは空目そらめかや」の一節。
「歌念仏」を読みて (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
乙「こん畜生ちきしょう、やい何処どっから出やアがッた、ヤアやすおきろよ、やい、手前てめえ何処から出やアがッた此ん畜生」
「どう考えましても、若いおかみさんは何処どっかに生きているように思われてなりませんので……」と新次郎は恐るるように小声で答えた。「どっかに隠れているならば、ぜひ一度逢わせてくれと……」
半七捕物帳:49 大阪屋花鳥 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
今たしかには覚えていないが、かく、途中で逢っても、「今日こんにちは」「や何処どちらへ」と云う位の知合にはなっていた。
友人一家の死 (新字新仮名) / 松崎天民(著)
そういうところへ寄って、三吉が豊世を休ませようとすると、かみさんが茶を運んで来て、「奥さんは、今日は何処どちらから?」などと聞く。
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
ちと長い旅行でもして帰って来る姿すがたを見かけた近所の子供に「何処どけへ往ったンだよゥ」と云われると、油然ゆうぜんとした嬉しさが心のそこからこみあげて来る。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
恒「何も謝るには及ばねえが、聞きゃア手前てめえうちを仕舞ったそうだが、何処どけえ行く積りだ」
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
重「へえ、あの野郎……あの野郎、誠に申訳もうしわけもございません、何んと何うも飛んだ事になりましてございます……重三郎の死骸は何処どっかへ上りましたか」
「𤢖の畜生ちきしょうめ。何をやアがるんだ。早く何処どっかへ行ってしまえ。」と、お葉は勝誇かちほこって叫んだ。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
蛇教えのままに身を伸ばして官道に横たわり居ると、棒持った人が来て蛇を見付けると同時に烈しくその頭を打ったので、蛇の頭痛はまるで何処どこかへ飛んでしまった。
或る日私はね、揺籠ゆりかごに乗ったままお庭の何処どこかへ置かれていたのよ。
レモンの花の咲く丘へ (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
小「エヽ残念な、匹夫下郎の為に不覚を取って……ウーン何処どれかくれてるか、これへ参れ」
治「へえ、殿様はお逝去に……官員さまで在らっしゃいましたか、何処どれへお勤めなさいましたので」
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
私は何処どっこにも出ることが出来ないの………じゃアね奥の六畳の方へ(下女の方をふり向きて)もうお帰りになったろう………汚れて居るか………あゝ、じゃ縁側附の方が宜かろう
松と藤芸妓の替紋 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「ああそれは難有ありがとう。毎度お気の毒だと思うんだけれど、ツイね私の方も請取うけとる金が都合よく請取れなかったりするものだから、此方こっちも困るだろうとは知りつつ、何処どっこへも言って行く処がないし、ツイね」と言って莞爾にっこり
酒中日記 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
退省ひけて下宿へ帰る、衣服を着更きかえる、直ぐ何処いずれへか遊びに出懸けて、落着て在宿していた事はまれだという。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
「深夜と申し殊には厳寒、女乗り物を担がれて方々は何処いずれへ参らるかな?」
紅白縮緬組 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「俺もお蔭で三役に入つたよ。こゝに五十円ばかしあるから、以前の朋輩衆と何処どつかで一杯やつて呉れないか、ほんの心祝ひだからな。」
目に見えぬ空の何処どつかで花火が揚る。
桐の花 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
此の道は左右が谷川で、一騎打きうち何処どっちくことも出来ません。
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
何処どっちの方から来たんだネ」
千曲川のスケッチ (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
(如何ナル騒乱ニ立チ至ルラン。春日明神カスガミョウジンニ祈念シテ、何処イズコヘモ逃ゲズ、タダ運命ヲマカスノミ)
日本名婦伝:静御前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
御見ギョケンニ入ル場所ハ何処イズコ、日ハ何日イツ、時ハ如何ニ。
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
何処イヅクにか 船泊てすらむ。安礼アレ崎 漕ぎみ行きしタナなし小舟(黒人——万葉巻一)
叙景詩の発生 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
そして真淵説を、「紀国の山を超て何処イヅクに行とすべけむや、無用説イタヅラゴトといふべし」と評したが、しかしこの古義の言は、「紀の山をこえていづくにゆくにや」と荒木田久老ひさおい信濃漫録しなのまんろくで云ったその模倣である。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
其が次第に、官人ツカサビトらしい姿にカハつて来ても、家庭の生活には、何時イツまでたつても、何処ドコか農家らしい様子が、残つて居た。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
おれは、このおれは、何処ドコに居るのだ。……それから、こゝは何処なのだ。ソレよりも第一、コノおれはダレなのだ。其をすつかり、おれは忘れた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
何処どッかの人がいぬすててッたと、私は二三度反覆くりかえして見たが、分らない。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
「大方何処どッかの……何処どッかの人さ。」
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
されば乞食僧は、昼間何処いずくにか潜伏して、絶えて人にまみえず、黄昏こうこん蝦蟇の這出はいいづる頃を期して、飄然ひょうぜんと出現し、ここの軒下、かしこの塀際、垣根あたりの薄暗闇うすくらやみに隠見しつつ、腹にたして後はまた何処いずかたへか消え去るなり。
妖僧記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
松魚時節酔湘※しょうれいによう。衆葉如煙入眼青けむりのごとくまなこにいって不寐思君過夜半いねずしてきみをおもいやはんをすぐ。天辺何処いずれのところか子規亭。(五月三十日)
病牀六尺 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
たゆひ潟潮満ちわたる何処いづゆかもかなしきろが吾許わがり通はむ (同・三五四九)
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
然るに、巻十四、東歌あずまうたの挽歌の個処に、「かなし妹を何処いづち行かめと山菅やますげ背向そがひ宿しく今し悔しも」(三五七七)というのがあり、二つ共似ているが、巻七の方が優っている。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
んなら鞄へ入れて置きなさい……永う此処に居て、万一他の者の耳へ這入ってもならんし、此の下女も堅い奴と思ったに、斯う云う不始末に及んだが、此の者の口も確と止めなければ相成らん、何にしても何処こゝに居ては事面倒だから、至急前橋か高崎までさがるが
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
見知越みしりごしじんならば、知らせてほしい、何処そこへ行って頼みたい、と祖母としよりが言うと、ちょいちょい見懸ける男だが、この土地のものではねえの。
国貞えがく (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「や、Sさん、何処どくさん行かしたかと思っとった。此処こけえ来とらしたたい。」とY君だ。
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
何処どごさ行ぐのす。」そうだ、釜淵かまぶちまで行くというのを知らないものもあるんだな。
台川 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
先程さっきお嬢さまと何処どちらへか」
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
何処どつかで投げつけるやうな
東京景物詩及其他 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
何処どつけ何処どつけ!』
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
さやうで御座いますね。一体まあどうなすつたと云ふので御座いませう、那裡あちらにも這裡こちらにもお客様を置去おきざりなすつてからに。はてね、まあ、どうもお出掛になる訳は無いので御座いますけれど、家中には何処どつこにもゐらつしやらないところを見ますと、お出掛になつたので御座いますかしらん。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
飯をたいたり漬物をつける位は何処ほかでも習える。
女子教育に就て (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
何処クークー何処クークーとばかりいていた。
ルバイヤート (新字新仮名) / オマル・ハイヤーム(著)