“何処”のいろいろな読み方と例文
旧字:何處
読み方(ふりがな)割合
どこ71.4%
いずこ10.9%
いづこ3.6%
いずく3.5%
いづく2.5%
どっ1.7%
どちら1.1%
どけ1.0%
どっか0.6%
どこか0.4%
(他:32)3.3%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“何処”を含む作品のジャンル比率
芸術・美術 > 演劇 > 大衆演芸100.0%
文学 > 日本文学 > 小説 物語19.7%
文学 > 日本文学 > 詩歌6.5%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
従つて何処どこを歩いてみても、日本橋にほんばし京橋きやうばしのやうに大商店の並んだ往来わうらいなどはなかつた。
本所両国 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
「さようさ、わしみたような男の何処どこが可いのかお露は無暗と可愛いがってくれるが妙だ。これはわしにも解らんよ」
酒中日記 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
草の波が寝ては起きる。青い虫がときおりとぶ。まだひよわい蝶が、草を離れ、草にすがっては、何処いずこともなく去ってゆく。
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
私が触れ得たと思ういずれの極も、共に私の命のかてにはならないで、何処いずこにまれ動き進もうとする力は姿を隠した。
惜みなく愛は奪う (新字新仮名) / 有島武郎(著)
今日こんにち築地つきぢ河岸かしを散歩しても私ははつきりと其の船宿の何処いづこにあつたかを確めることが出来ない。
水 附渡船 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
片側町かたかはまちなる坂町さかまち軒並のきなみとざして、何処いづこ隙洩すきも火影ひかげも見えず
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
海の底に足がついて、世にうときまで思い入るとき、何処いずくよりか、かすかなる糸を馬の尾でこする様な響が聞える。
幻影の盾 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
何処いずくの津より運び来にけん、俵にしたる米のほかに、塩鮭しおざけ干鰯ほしかなんど数多あまた積めるに。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
その後は何処いづくへ行き居つたか、――おお、この枯木の梢の上に、たつた一人登つてゐるのは、まぎれもない法師ぢや。
往生絵巻 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
しかし、何処いづくの国、何時の世でも、Pr〓curseur の説が、そのまま何人にも容れられると云ふ事は滅多にない。
(新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
金「何処へ行ったか分りません、世間へ対して面目なくお前さんに叱られると思って何処どっかへ行ったのでしょう」
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
乙「こん畜生ちきしょう、やい何処どっから出やアがッた、ヤアやすおきろよ、やい、手前てめえ何処から出やアがッた此ん畜生」
そういうところへ寄って、三吉が豊世を休ませようとすると、かみさんが茶を運んで来て、「奥さんは、今日は何処どちらから?」などと聞く。
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
又「へい早速お聞き申したいことが有って参りましたが、貴方がたのお国は、何処どちらでございますかな」
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
恒「何も謝るには及ばねえが、聞きゃア手前てめえうちを仕舞ったそうだが、何処どけえ行く積りだ」
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
妻「おや良人あんたマアこんなに遅くなる訳はねえが、何処どけきやんした」
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「〓の畜生ちきしょうめ。何をやアがるんだ。早く何処どっかへ行ってしまえ。」と、お葉は勝誇かちほこって叫んだ。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
小「だからへんてこらいな舁夫だと云うのです、お嬢さん何処どっかへ連れてきアしませんか」
蛇教えのままに身を伸ばして官道に横たわり居ると、棒持った人が来て蛇を見付けると同時に烈しくその頭を打ったので、蛇の頭痛はまるで何処どこかへ飛んでしまった。
或る日私はね、揺籠ゆりかごに乗ったままお庭の何処どこかへ置かれていたのよ。
レモンの花の咲く丘へ (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
七「へえ……彼方あちらへはきません、面倒だから何処どっこも往きません」
梅若七兵衛 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
私は何処どっこにも出ることが出来ないの………じゃアね奥の六畳の方へ(下女の方をふり向きて)もうお帰りになったろう………汚れて居るか………あゝ、じゃ縁側附の方が宜かろう
松と藤芸妓の替紋 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
小「エヽ残念な、匹夫下郎の為に不覚を取って……ウーン何処どれかくれてるか、これへ参れ」
治「へえ、殿様はお逝去に……官員さまで在らっしゃいましたか、何処どれへお勤めなさいましたので」
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
退省ひけて下宿へ帰る、衣服を着更きかえる、直ぐ何処いずれへか遊びに出懸けて、落着て在宿していた事はまれだという。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
「深夜と申し殊には厳寒、女乗り物を担がれて方々は何処いずれへ参らるかな?」
紅白縮緬組 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
此の道は左右が谷川で、一騎打きうち何処どっちくことも出来ません。
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
何処どっちの方から来たんだネ」
千曲川のスケッチ (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「俺もお蔭で三役に入つたよ。こゝに五十円ばかしあるから、以前の朋輩衆と何処どつかで一杯やつて呉れないか、ほんの心祝ひだからな。」
「ほんのわづかだが、こゝに三十円ばかしあるから以前の朋輩衆と何処どつかで一口やつて呉れないか、俺がこんな出世をしたのも、つまりみんなのお蔭だからな。」
(如何ナル騒乱ニ立チ至ルラン。春日明神カスガミョウジンニ祈念シテ、何処イズコヘモ逃ゲズ、タダ運命ヲマカスノミ)
日本名婦伝:静御前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
御見ギョケンニ入ル場所ハ何処イズコ、日ハ何日イツ、時ハ如何ニ。
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
何処イヅクにか 船泊てすらむ。安礼アレ崎 漕ぎみ行きしタナなし小舟(黒人――万葉巻一)
叙景詩の発生 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
そして真淵説を、「紀国の山を超て何処イヅクに行とすべけむや、無用説イタヅラゴトといふべし」と評したが、しかしこの古義の言は、「紀の山をこえていづくにゆくにや」と荒木田久老ひさおい信濃漫録しなのまんろくで云ったその模倣である。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
若し武陵何処いずれのところと問わば
断橋奇聞 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
松魚時節酔湘※しょうれいによう。衆葉如煙入眼青けむりのごとくまなこにいって不寐思君過夜半いねずしてきみをおもいやはんをすぐ。天辺何処いずれのところか子規亭。(五月三十日)
病牀六尺 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
たゆひ潟潮満ちわたる何処いづゆかもかなしきろが吾許わがり通はむ (同・三五四九)
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
然るに、巻十四、東歌あずまうたの挽歌の個処に、「かなし妹を何処いづち行かめと山菅やますげ背向そがひ宿しく今し悔しも」(三五七七)というのがあり、二つ共似ているが、巻七の方が優っている。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
んなら鞄へ入れて置きなさい……永う此処に居て、万一他の者の耳へ這入ってもならんし、此の下女も堅い奴と思ったに、斯う云う不始末に及んだが、此の者の口も確と止めなければ相成らん、何にしても何処こゝに居ては事面倒だから、至急前橋か高崎までさがるが
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
見知越みしりごしじんならば、知らせてほしい、何処そこへ行って頼みたい、と祖母としよりが言うと、ちょいちょい見懸ける男だが、この土地のものではねえの。
国貞えがく (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「や、Sさん、何処どくさん行かしたかと思っとった。此処こけえ来とらしたたい。」とY君だ。
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
何処どごさ行ぐのす。」そうだ、釜淵かまぶちまで行くというのを知らないものもあるんだな。
台川 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
先程さっきお嬢さまと何処どちらへか」
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
何処どつかで投げつけるやうな
東京景物詩及其他 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
何処どつけ何処どつけ!』
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
さやうで御座いますね。一体まあどうなすつたと云ふので御座いませう、那裡あちらにも這裡こちらにもお客様を置去おきざりなすつてからに。はてね、まあ、どうもお出掛になる訳は無いので御座いますけれど、家中には何処どつこにもゐらつしやらないところを見ますと、お出掛になつたので御座いますかしらん。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
何処どッかの人がいぬすててッたと、私は二三度反覆くりかえして見たが、分らない。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
「大方何処どッかの……何処どッかの人さ。」
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
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