何処どっ)” の例文
旧字:何處
虚言うそいて……革財布は彼方で入用いりようとはなんだ、ちゃんと此処こゝに百金届いていますよ……其の百両の金は何処どっから持って来たんだ
文七元結 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「どう考えましても、若いおかみさんは何処どっかに生きているように思われてなりませんので……」
半七捕物帳:49 大阪屋花鳥 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
犬では何と言って慰めていか見当が付かないので、「犬なんてものは何処どっかへ行ってしまったと思うと、飛んでもない時分に戻って来るもんだ。今にきっと帰って来るよ、」
二葉亭余談 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
彼処あすこさ東京の人だからね。このあいだ一件いっけんもので大騒ぎをしたでがす。行って見てしんぜますべい。うに、はい、何処どっかずらかったも知んねえけれど、台所の衆とは心安こころやすうするでがすから
春昼 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「おかみさんがいないのですよ、何処どっかへ往ったのでしょうかね」
狐の手帳 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
何処どっかへ出かけるのか師匠」
子持縞こもちじま布子ぬのこを着て、無地小倉の帯を締め、千住の河原の煙草入を提げ、不粋ぶすい打扮こしらえのようだが、もと江戸子えどっこだから何処どっか気が利いて居ります。
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
或時尋ねると、「昨日きのうは突然差押えを喰って茶呑茶碗ちゃのみぢゃわんまで押えられてしまった、」と眉山は一生忠実に仕えた老婢ろうひに向って、「オイ阿婆ばあや何処どっかで急須きゅうすと茶碗を借りてな、」
お糸は先月の二十八日の宵から何処どっかへ影を隠してしまったそうです。
半七捕物帳:52 妖狐伝 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
金「何処へ行ったか分りません、世間へ対して面目なくお前さんに叱られると思って何処どっかへ行ったのでしょう」
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
そういう方面の交際を全く嫌った私の生野暮きやぼさらって、「遊蕩も少しはして見ないとホントウの人生が解らんものだ、一つ何処どっかイイ処へ案内しようじゃないか、」とい云いした。
二葉亭余談 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
なんだろう、こんな小穢こぎたないものを……。芸は下手でも上手でも、お祭りには町内の娘さん達が踊るもんだ。こんな乞食芝居みたいなものを何処どっからか引っ張って来やあがって、お祭りも無いもんだ。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
どうせ何処どっから貰うのも同じ事だから、の男がおっんだら、彼の娘をわしの女房にもれえてえだ、裸じゃアあろうけれども、他人頼ひとだのみの世話がねえので
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
乙「こん畜生ちきしょう、やい何処どっから出やアがッた、ヤアやすおきろよ、やい、手前てめえ何処から出やアがッた此ん畜生」
人の合中あいなかつッつくひどい奴ですから、今夜はあの医者を何処どっかへやって、貴方あなた独りこゝに泊っていて下さいな、そうすれば内の人を寝かして置いて、貴方の所へ来て
急に遠方へくことが出来たからッて、店賃を払って、うちの道具や夜具蒲団はみんな兼松に遣ってくれろと云置いて、何処どっかへ行ってしまったのサ、全体ぜんてえ何うしたんだろう
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
少なくなるんですから、何分よろしくお頼み申します、あの定吉さだきちどんは何処どっかへきましたか
闇夜の梅 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
僕と一緒に何処どっかへ女郎買に行ってしまい、あいつ二人に素股すまたを喰わせるとはうだえ
イヤねえと云うと、それはえれえことに成った、駕籠へ嬢さまを乗せたら何処どっかへ担いで往ッちまって解らねえんだ、ハテ何うしたら宜かろうと云うから、随分道も能くねえが
わっちは又何処どっかの待合茶屋まちあいぢゃやへでも連れてって、さて如何いかゞの次第でございますか、兎に角任せて下さいと云って、おめえさんが仲人ちゅうにんに入って、茶か何か呑ませているんだろうと思って居りました
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
九「それでわっちも安心をしたが、お前さん何処どっか知ってる所がありますか」
闇夜の梅 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
長「いねえ/\と云ったって何処どっか居るとけえ往ってめっけて来やアな」
文七元結 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
人を助けるなんてえのは立派な大家たいけの旦那様のする事だよ、娘が身を売ってお前の為に百両こしらえてくれたものを、ムザ/\他人ひとに遣っちまうてえ奴があるかえ本当に、何処どっかへ金を預けて置いて
文七元結 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
それ程貧乏だと思う人はねえ何処どっから嫁を貰っても箪笥たんす一個ひとつや長持の一棹ひとさおぐらい附属くッついて来る、器量の悪いのを貰えば田地でんじぐらい持って来るのは当然あたりまえだ、つらがのっぺりくっぺりして居るったって
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
殿「あれ/\七兵衞が何処どっかへくぞ、誰か見てやれ」
梅若七兵衛 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
喜「ヘエお梅是を何処どっかへ入れて置きな」
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
由「おいおい牛が何処どっから来るえ」
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
何処どっかを突かんと狙い詰められ