“彼処”のいろいろな読み方と例文
旧字:彼處
読み方(ふりがな)割合
かしこ40.0%
あすこ32.9%
あそこ21.2%
あちら1.2%
そこ1.2%
あそご0.8%
あっこ0.8%
あれ0.8%
あすけ0.4%
あち0.4%
(他:1)0.3%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“彼処”を含む作品のジャンル比率
芸術・美術 > 演劇 > 大衆演芸48.4%
文学 > 日本文学 > 小説 物語5.3%
歴史 > 伝記 > 個人伝記3.9%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
この辺は、何処も彼処かしこも、夥しいほりが掘られ、その埋土うめつちの上に侍屋敷だの、大名の豪壮な門ができていた。
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
従って女の口をるる点々の血も、彼処かしこ手洗水みたらしく水脈に響いて、緋葉もみじをそそぐ滝であった。
花「本当にあんな人はないと思います、彼処あすこへ嫁に遣って下さいますれば、どんなにもお父様とっさまに孝行致しまする」
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
富「手前供を致します、彼処あすこ日中にっちゅうも人は通りませんから、酉刻を打って参り、ふッと提灯を消すのが合図」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「なるほど、これはおえらい処へ。あっはっ、彼処あそこの後家さん綺麗でしたかい。ことにM君なぞは大もてでごわしたろう。」
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
毎朝、止り木から飛び降りると、雄鶏は相手がやっぱり彼処あそこにいるかどうか眺めてみる——相手はやっぱりそこにいる。
博物誌 (新字新仮名) / ジュール・ルナール(著)
御出立ごしゅったつになるまでは、彼処あちら入用にゅうようもあるまい。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
「では、主人も彼処あちらで待っておるゆえ、ここで御免——」
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
黎明は突如としてき起これる妖雲よううんによって、しばらくは閉ざされようとも、吾々の前途の希望は依然として彼処そこに係っている。
二・二六事件に就て (新字新仮名) / 河合栄治郎(著)
彼処そこでもない此処ここでもないと勝手次第にさそうな地所じしょを見立てゝ、いよ/\芝の三田みたにある島原しまばら藩の中屋敷が高燥こうそうの地で海浜かいひんの眺望も良し
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
さがしたぞ。こんたなどごまで来て。して黙って彼処あそごに居なぃがった。おぢいさん、うんと心配してるぞ。さ、早くべ。」
種山ヶ原 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
さがしたぞ。こんたなどごまで来て。してだまって彼処あそごなぃがった。おじいさんうんと心配しんぱいしてるぞ。さ、はやべ。」
種山ヶ原 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
……いつや姉ちゃんに着物持って来てもろた家なあ? 彼処あっこやったら気分もよう分ってるし、安心やねんけど
(新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
光子さんは「何処どこぞ近いとこへ逃げるのんやったら、あてとこの浜寺の別荘がええし」いいなさって、彼処あっこは今年留守番の夫婦てるだけやさかい、海水浴して来るいうてお梅どん連れて行くのんなら
(新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
その時に向島は景色もよし道もよし、毎度馬をこころみて、向島を廻って上野の方にかえって来るとき、何でも土手のような処を通りながら、アヽ彼処あれが吉原かと心付こころづい
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
富「其様な大きな声をするな、是から縁側づたいにまいるのだ、間違えてはいかんよ、彼処あれへ出るとすぐにお目見え仰せ付けられるが、不躾ぶしつけに殿様のお顔を見ちゃアなりませんよ」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
母「アヽ痛い、あゝあのお医者様から貰ったお薬は小さえ手包の中へ入れて置いたが、彼処あすけえ上げて置いたが、あれわれ持って来たか」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
うれい重荷おもにうて直下すぐしたに働いて居る彼爺さん達、彼処あち此処こちに鳶色にこがれたけやきの下かしの木蔭に平和を夢みて居る幾個いくつ茅舎ぼうしゃ其等それらは所謂文明の手にはえの如く簑虫みのむし宿やどの如く払いのけられねばならぬのであろうか。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
青柳より筑前領の大島に出で、彼処かのところより便船を求めて韓国からくにに渡り、伝へ聞く火賊くわぞくの群に入りての国を援け、しんの大宗の軍兵に一泡噛ませ呉れむと思ひし也。
白くれない (新字新仮名) / 夢野久作(著)