彼処あちら)” の例文
旧字:彼處
それはあだかも旧暦八月の一日の夜で、すなわち名月の晩だったが、私は例の通り、師匠のうちをその朝早く出て、谷中に行って、終日遊んでとうとう夜食を馳走になって、彼処あちらを出たのが、九時少し前
死神 (新字新仮名) / 岡崎雪声(著)
「では、主人も彼処あちらで待っておるゆえ、ここで御免——」
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
御出立ごしゅったつになるまでは、彼処あちら入用にゅうようもあるまい。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)