流血船西へ行くりゅうけつせんにしへいく
「船長、至急無電報が入りました」 太平洋沿海の救護船、太平丸の船長室へ、元気に無電係の伊藤次郎青年が入って来た。 「この凪に難波船でも有るまい、何だ」 「流血船の報告です」 「え?——又か‼」 太平洋の鮫と異名を取った樫原太市船長の顔が、急 …
作品に特徴的な語句
号笛ホイッスル 蒼白あおざ はっ ぎょっ 梯子タラップ しずく 進出すすみで 帆檣マスト 有難ありがと 此方こっち かしこま ただ しっか はし 舷側ふなべり かか 何方どっち わし すさま なぎ つぶ とん きま 引緊ひきし きざ 微笑ほほえみ 振返ふりかえ 森閑しん ほと ましら 瓦斯がす 痙攣ひきつ あば 船乗ふなのり 船窓まど みつ 触合ふれあ しゃが きびす 一重ひとえ 丁度ちょうど しま 今更いまさら くだん 何処どこ 何故なぜ 其処そこ 其時そのとき およ 到頭とうとう 剥出むきだ 卓子テーブル 取出とりだ 口惜くや 叩込たたきこ 吃水きっすい フィート 呶鳴どな うめ 呼声よびごえ むせ トン 囁合ささやきあ 四辺あたり もと 外向そむ それ 夫々それぞれ 如何いか 寄来よこ むし 居竦いすく 屡々しばしば きっ おお すた 弾丸たま 彼処かしこ 彼奴あいつ 彼方かなた 待構まちかま かす たちま 怯気おじけ ことごと 愈々いよいよ 慄然りつぜん 押寄おしよ