“船窓”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ふなまど20.0%
まど20.0%
ケエスメント20.0%
ハツチ20.0%
マド20.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
降りつゞく雨は、碇泊船の燈火の長く漂ふ滑なうしほの上に落ちて行く。其の音も響もない雨の絲を、船窓ふなまどに眺めて泣いた事がある………。
歓楽 (旧字旧仮名) / 永井荷風永井壮吉(著)
「現に僕の船窓まどから見えている、いま船員たちが乗込んで行ったところさ、気の毒だが賭けは僕の勝利らしいな、はははは」
流血船西へ行く (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
彼女の体臭のようになっている愛用の香水が、うっすら漂っていた。やっと首だけ出る、円い船窓ケエスメントが開け放してあって、黒く光って流れるラインの水が、夜の唄を歌っていた。
海妖 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
チエンを卷け、チエンを卷け。突進する、突進する水夫ら。船室の窓、窓、窓、窓。傾むく地平線、上昇する地平線。チエンチエンチエン。風、風、風。水、水、水。船窓ハツチを閉めろ。船窓ハツチを閉めろ。右舷へ、左舷へ。
宿命 (旧字旧仮名) / 萩原朔太郎(著)
船窓マドから二つ、をとことをなごの顔である
其中日記:06 (六) (新字旧仮名) / 種田山頭火(著)