“まど”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:マド
語句割合
52.6%
27.2%
5.8%
1.9%
1.7%
1.7%
1.6%
1.2%
車窓0.8%
間取0.8%
0.6%
0.6%
0.4%
0.4%
0.4%
天窓0.2%
獄窓0.2%
0.2%
室取0.2%
0.2%
0.2%
網窓0.2%
0.2%
舷窓0.2%
船窓0.2%
0.2%
鉄窓0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ひとりきりになると、男はまどぎわにいって、まだ昼間ひるまだというのに、カーテンをひいた。へやのなかが、きゅうに、うす暗くなった。
もしこの評眼ひようがんをもちて財主の妹を財主と共に虐殺したる一節をまば、作者さくしや用意よういの如何に非凡ひぼんなるかをるにまどはぬなるべし。
「罪と罰」の殺人罪 (旧字旧仮名) / 北村透谷(著)
しかも、そうした疑問を抱きながらも、寝台ベッド羽根蒲団クッションは、相変らずふくふくとして柔らかく、まどかな夢を結ぶには、好適この上もありません。
墓が呼んでいる (新字新仮名) / 橘外男(著)
秋山あきやま黄葉もみぢしげまどはせるいももとめむ山道やまぢ知らずも 〔巻二・二〇八〕 柿本人麿
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
姫は、山田の道場のまどから仰ぐ空の狭さを悲しんでいる間に、何時かここまで来て居たのである。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
まだ維廉ヰルヘルム一世の街に臨めるまどに倚り玉ふ頃なりければ、樣々の色に飾り成したる禮裝をなしたる、かほよき少女の巴里まねびの粧したる、彼も此も目を驚かさぬはなきに
舞姫 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
まだ十二時前なのに河岸通かしどおりから横町一帯しんとして、君香の借りている二階のまども、下の格子戸も雨戸がしまっています。
あぢさゐ (新字新仮名) / 永井荷風(著)
頭はまどうかがは堂にくという素晴らしい大きさである。葉公はこれを見るやおそれわなないてげ走った。その魂魄こんぱくを失い五色主無ごしきしゅなし、という意気地無さであった。
弟子 (新字新仮名) / 中島敦(著)
『休暇で帰るのに見送みおくりなんかて貰はなくツてもいと言つたのに、態々わざわざ俥でやつて来てね。麦酒びーるや水菓子なんか車窓まどン中へ抛り込んでくれた。皆様みなさんに宜敷ツて言つてたよ。』
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
中二階ちうにかい六疊ろくでふなかにはさんで、梯子段はしごだんわかれて二階にかい二間ふたま八疊はちでふ十疊じふでふ——ざつとこの間取まどりで、なかんづくその中二階ちうにかいあをすだれに、むらさきふさのしつとりした岐阜提灯ぎふぢやうちん淺葱あさぎにすくのに
深川浅景 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
キャラコさんは、まどわされたようになって、茫然とその絵を眺めていた。
ただねんず、しづかにはたまどやかに
有明集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
つままどのもとに喰伏くひふせられあけにそみ、そのかたはらにはちゞみの糸などふみちらしたるさまなり。七ツの男の子はにはにありてかばねなかくはれたり。
それに一つお皿をめいでもまどへと仰しやるのですからない
はなまどはすわざならん
孔雀船 (旧字旧仮名) / 伊良子清白(著)
ちょうど丁子風呂の女湯の天窓まどのところへ行くと、平次は手を伸して、油障子を開けました。少し骨は折れますが、それでも大したキシミもせずに、スラスラと開きます。
「女湯の天窓まどが開いて、陽が射していたのを知っているかい」
日溜りの広きにすずめ降り来しが惜し気なく去ぬるを獄窓まどに視てをり
遺愛集:02 遺愛集 (新字新仮名) / 島秋人(著)
自愛するひと日に足りて寄り添へる獄窓まどの洩れ陽をまぶしみてをり
遺愛集:02 遺愛集 (新字新仮名) / 島秋人(著)
芸術のうちにはめ込まれた利己心は、雲雀ひばりどもにたいする鏡であり、弱き者どもをまどわす炬火きょかである。ジャックリーヌの周囲でも、多くの婦人が彼にとらえられたのだった。
こといへは、風通かぜとほしもよし室取まどりもよし造作ざうさく建具たてぐごときも、こゝらにのきならべた貸家かしやとはおもむきちがつて、それ家賃やちんもかつかうだとくのに……不思議ふしぎしてるものが居着ゐつかない。
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
じつ此度このたび大喪使長官様たいさうしちやうくわんさまといふのは、よるもトロ/\まどろみたまふ事もございませんといふ、大層たいそう御丁寧ごていねいおつしやいますから、わたくしどもにはしたまはらなくつてひにくいくらゐで
牛車 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
まちつかれた身體からだをそつと椅子いすにもたれて、しづかなしたみちをのぞこふとまどをのぞくと、窓際まどぎは川柳かはやなぎ青白あをしろほそよるまどうつくしくのびてた。
追憶 (旧字旧仮名) / 素木しづ(著)
姉弟と書きつ書かれし人と会ひ語ることなき初対面の網窓まど
遺愛集:02 遺愛集 (新字新仮名) / 島秋人(著)
そのうちまどろいと思ったか、鉄扇を捨てて無手をかざした自斎は、飛燕の如く身を屈めると、もう渦を巻いてる多勢の思わぬ所へ姿を現わし、寄る奴当る奴の襟首えりくびとって、人を人へ投げつけはじめた。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そうして、舷窓まどからはいってくる薄暗いひかりは、船の揺れかたによって、その窓が海の方へ向いたり、空の方へ向いたりするたびごとに色が変わっていた。
「現に僕の船窓まどから見えている、いま船員たちが乗込んで行ったところさ、気の毒だが賭けは僕の勝利らしいな、はははは」
流血船西へ行く (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
往反ノ者ノ路ニしたがラザルハナシ矣、ノ俗天下ニ女色ヲてらヒ売ル者、老少提結シ、邑里ゆうり相望ミ、舟ヲ門前につなギ、客ヲ河中ニチ、わかキ者ハ脂粉謌咲かしょうシテ以テ人心ヲまどハシ
蘆刈 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
お母あさんと呼んでみた月の鉄窓まど
遺愛集:02 遺愛集 (新字新仮名) / 島秋人(著)