間取まど)” の例文
けれども、歌出うたいだしの「秋——」という節廻ふしまわしから拍子の間取まどりが、山の手の芸者などには到底聞く事の出来ぬ正確たしか歌沢節うたざわぶしであった。
深川の唄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
中二階ちうにかい六疊ろくでふなかにはさんで、梯子段はしごだんわかれて二階にかい二間ふたま八疊はちでふ十疊じふでふ——ざつとこの間取まどりで、なかんづくその中二階ちうにかいあをすだれに、むらさきふさのしつとりした岐阜提灯ぎふぢやうちん淺葱あさぎにすくのに
深川浅景 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
思ひしごとに少しづつ変へし間取まどりのさまなどを
呼子と口笛 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
『梅見の船』巻七まきのしちに挿入したる半次郎が猿寺さるでら住家すみかの図は、土佐派古画の絵巻物に見ると同じき方法を取り屋根を除きて上方じょうほうよりななめに家の内外ないがい間取まどりのさまを示したり。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)