まど)” の例文
豊雄夢のさめたるここちに、二九八礼言ゐやこと尽きずして帰り来る。金忠にむかひて、此の年月かれまどはされしは、おのが心の正しからぬなりし。
キャラコさんは、まどわされたようになって、茫然とその絵を眺めていた。
「邪神は年経としへたるおろちなり、かれがさがみだらなる物にて、牛とつるみてはりんを生み、馬とあいては竜馬りゅうめを生むといえり、このまどわせつるも、はた、そこの秀麗かおよきたわけたると見えたり」と云っていましめた。
蛇性の婬 :雷峰怪蹟 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
かれがさがみだりなる物にて、二八二牛とつるみてはりんみ、馬とあひては竜馬りようめを生むといへり。二八三此のまどはせつるも、はたそこの秀麗かほよき二八四たはけたると見えたり。
翁これを納めて、二九三祝部はふりらにわかちあたへ、みづからは一むらつみをもとどめずして、豊雄にむかひ、二九四かれなんぢ秀麗かほよきたはけて二九五你をまとふ。你又かれかりかたちまどはされて二九六丈夫ますらを心なし。