“性”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しょう36.4%
たち34.0%
さが14.2%
せい6.4%
しやう6.0%
タチ0.4%
せう0.2%
セツキス0.2%
うま0.2%
えたい0.2%
しょ0.2%
しよう0.2%
せっ0.2%
なち0.2%
ひととなり0.2%
サガ0.2%
シヤウ0.2%
セイ0.2%
セツクス0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
余計な事でございますがね——性(しょう)が知れちゃいましても、何だか、婦(おんな)の二人の姿が、鴛鴦の魂がスッと抜出したようでなりませんや。
唄立山心中一曲 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
実際、女は慥かにさういふ性(たち)の女だ。非常に根は虔(つつま)しやかであるくせに、ヒヨツトした場合に突発的なイタヅラの出来る女だつた。
我が生活 (新字旧仮名) / 中原中也(著)
DS の昼と悪魔の夜と交々(こもごも)この世を統(す)べん事、あるべからずとは云い難し。されどわれら悪魔の族(やから)はその性(さが)悪なれど、善を忘れず。
るしへる (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
是は稲種(いねだね)の「実翻(みこぼ)れ性(せい)」とも名づくべきものと関係があり、いずれの地の農業もかつて一度はそういう方法を行ったとも考えにくい。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
そしてまた、こゝにも、あらゆるまどはしの麦は芽を噴いてゐる。性(しやう)こりもなく、情緒に誘はれるアダム……。神は無数に種子を蒔(ま)いた。
浮雲 (新字旧仮名) / 林芙美子(著)
母は掛軸を掛け換へるなどゝいふ実生活にそくした生活の潤ひなどゝいふものには分らないのではないが妙に気の付かない性(タチ)だつた。父は今それをなじつてゐる。
その頃の生活 (新字旧仮名) / 中原中也(著)
女房(にようぼう)をだまくらかして妾(めかけ)の處(ところ)へ注(つ)ぎ込(こ)む樣(やう)な不人情(ふにんじやう)は仕度(したく)ても出來(でき)ない、あれ丈(だけ)腹(はら)の太(ふと)い豪(ゑら)いのでは有(あ)らうが、考(かんが)へると此處(こゝ)の旦那(だんな)も鬼(おに)の性(せう)さ、二代(だい)つゞきて彌々(いよ/\)根(ね)が張(は)らうと
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
性(セツキス)のない芸術家になり畢(をは)せようとしたこの女優は、象牙の塔から滑り落ちるやうな思ひで、また「女」に帰つて来た。そして恋しい男の後(あと)を追うて死に急いだ。
伊勢は寂照寺の画僧月僊(げつせん)は乞食月僊と言はれて、幾万といふ潤筆料を蓄(た)め込んだ坊さんだが、その弟子に谷口月窓といふ男がゐて、沈黙家(むつつりや)で石のやうに手堅い性(うま)れつきであつた。
秀調の針妙水無瀬(しんみょうみなせ)は小町の難義を救ふ役なるが、作者が性(えたい)の知れぬものを拵へしため、奴(やっこの)小万が戸迷(とまど)ひをしたといふ形あり。
「んだって、こうでもしなかったら、浅川の性(しょ)ッ骨(ぽね)直るかな」と笑った。「それに、彼奴(あいつ)等からはモットひどいめに合わされてるから、これで当り前だべよ!」
蟹工船 (新字新仮名) / 小林多喜二(著)
みんな性(せっ)かちになっているんだ。
断層顔 (新字新仮名) / 海野十三(著)
などといいながら、欄干(らんかん)の方へよちよち膝行(いざ)って、品(しな)を作って柱に絡(から)むとそのまま『美人欄に寄るの図』になろうといった——少なくとも本人はそう信じて疑わない性(なち)の女だったのです。
〈妾性(ひととなり)交接の道を欲せず、今皇命の威に勝(た)えずして、暫く帷幕(おおとの)の中に納む、しかるに意に快からざるところ、云々〉と辞してその姉を薦(すす)め参らせた、それが成務帝の御母だとある。
かたくなに言ひつのりしが、死にゆけば はた清らなる性(サガ)よみがへる
鵠が音:01 鵠が音 (新字旧仮名) / 折口春洋(著)
その力強さは、唯方言の気まぐれ性(シヤウ)や、行き当りばつたり性から、頭を擡げたりする性質だけによるのではない。
「さうや さかいに」 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
ねこ、(中略)人家(ジンカ)ニ畜(カ)フ小(チヒ)サキ獣(ケモノ)。人(ヒト)ノ知(シ)ル所(トコロ)ナリ。温柔(ヲンジウ)ニシテ馴(ナ)レ易(ヤス)ク、又(マタ)能(ヨ)ク鼠(ネズミ)ヲ捕(トラ)フレバ畜(カ)フ。然(シカ)レドモ竊盗(セツタウ)ノ性(セイ)アリ。形(カタチ)虎(トラ)ニ似(ニ)テ二尺(ニシヤク)ニ足(タ)ラズ。(下略(げりやく))
澄江堂雑記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
素つ裸かの私は、急にまごまごして、やつと私のグローブで私の性(セツクス)をかくしてゐる。
麦藁帽子 (旧字旧仮名) / 堀辰雄(著)