“性来”のいろいろな読み方と例文
旧字:性來
読み方割合
うまれつき35.5%
せいらい35.5%
しょうらい12.9%
うまれえて3.2%
うまれながら3.2%
しやうらい3.2%
もとから3.2%
もとより3.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「はい、願掛けをしましても、塩断ちまでしましたけれど、どうしても分りません、調子が一つ出来ません。性来うまれつきでござんしょう。」
歌行灯 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
背が馬鹿に高くて腕力があるうえに、父の庄八が、ちょっと睨みのきく親分株の男だったので、性来せいらい気の小さいわりに、横暴な振舞ふるまいが多かった。
次郎物語:01 第一部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
私は性来しょうらい騒々そうぞうしい所がきらいですから、わざと便利な市内を避けて、人迹稀じんせきまれな寒村の百姓家にしばらく蝸牛かぎゅういおりを結んでいたのです……
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
さてまた牡丹がおっと文角ぶんかくといへるは、性来うまれえて義気深き牛なりければ、花瀬が遺言を堅く守りて、黄金丸の養育に、旦暮あけくれ心を傾けつつ、数多あまたこうしむれに入れて。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
日本全国六十余州に散在している陰陽師おんみょうじつかさ中御門中納言なかみかどちゅうなごんの一族の姫、故あって民間に育ちたれば、その名もいやしく山尾とは云えど、性来うまれながらの義侠止められず、女ばかりの党を作り
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
診断がまづからうが、学問が無からうが、唯病家へ往つて落つき済まして居さへすればそれで良い評判を取る事も出来るものなのだが、不仕合せにもこの元孝は性来しやうらいひどい慌て者だつた。
後から仲間入をした日下部——この教員はまた性来もとから黙っているような人だ。
岩石の間 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
性来もとより壮健の肉体が蕃地の気候に鍛練され猛獣と格闘することによって一層益〻壮健になり猿族と競争する事によって彼は恐ろしく敏捷となった。
沙漠の古都 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)