“数多”のいろいろな読み方と例文
旧字:數多
読み方割合
あまた76.9%
たくさん17.5%
すうた1.4%
かずおお0.9%
かずさは0.9%
あたま0.5%
あまたたび0.5%
いくら0.5%
おおく0.5%
アマタ0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
あしたの天変地異を今夜の今知っている者は、あの出陣列に従って行った御家来衆も数多あまたながら、わしひとりしかなかったのである。
茶漬三略 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
数多たくさん抱えているじょちゅう達は、それぞれ旦那衆だんなしゅうのおともをして屋根船に乗り込んで、隅田すみだの花見に往っているので家の中はひっそりしていた。
鼓の音 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
然るに彼の氏名未詳の人物は鱷の胃中に入りてこゝに住居を卜し、鱷の持主の嘆願を容れず、数多すうたの不幸なる家族の悲鳴を省ず、鱷の胃中に滞留せり。
あかいろ貝殻かいがらひとつ、かすかにひびく松風まつかぜひとつがわたくしにとりてどんなにも数多かずおおおも種子たねだったでございましょう! それは丁度ちょうど絵巻物えまきものひろげるように
高御座たかみくら輝き満つ、日の御座みくらただ照り満つ。御剣や御光添ひ、御璽みしるしやいや栄えに、数多かずさはの御鏡や勾玉や、さやさやし御茵みしとねや、照り足らはせ。大君。我が大君。あきかみ
(新字旧仮名) / 北原白秋(著)
だが、哀れなのは、その女院の君よりは、女院にかしず数多あたまな局たちにあった。
盲人めしい数多あまたたびかれの足下に叩頭ぬかづきたり。
取舵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
成程なるほど元子は見たところ節操々々みさを/\して居る。けれど講習会をに何をして居るか知れたものでない。想像して見ると不審の点は数多いくらもある。今夜だつて何を働いて居るか自分は見て居ない。
節操 (新字旧仮名) / 国木田独歩(著)
そして、数多おおくの象徴をけておいたのです。つまり、それに合した符号なり照応なりを、徴候的に解釈して、それで心の奥底を知ろうとしました。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
名ニシオフ宇治ノ山辺ヤマベノ坂口ニ、御屋形オヤカタヲ立、ココニテ一献進上。花沢ノ古城、コレハ昔、小笠原肥前ガタテ籠リシ折、武田信玄、コノ城ヘ取懸トリカカリ、ヒト数多アマタ討タセ、勝利ヲ失ヒシ城也。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)