取舵とりかじ
「こりゃどうも厄介だねえ。」 観音丸の船員は累々しき盲翁の手を執りて、艀より本船に扶乗する時、かくは呟きぬ。 この「厄介」とともに送られたる五七人の乗客を載了りて、観音丸は徐々として進行せり。 時に九月二日午前七時、伏木港を発する観音丸は、 …
作品に特徴的な語句
邂逅でッくわ わけ おおわ きづか 汚穢けがれもの はず くらわ とどま くぼ 万一まさか いい 面貌おももち しょう みあぐ しょう 一時ひときり きわま かぎ あやし わず 衆人ひとびと にぐ 微笑えみ 数多あまたたび ひか とどま たけ 一條ひとくさり 手馴てなら 抽出ぬきいだ いささか つぶ 嗤笑せせらわら もうで だっ いちじ こころ 微々ほそぼそ あわれみ たたかい かかえ 暴風はやて とも 泥塗どろまぶれ ざい 盲人めいし かたわら ただち まず いわい およそ 叩頭ぬかづ そびら ひど しる まい おく 形成かたちつく 天色てんしょく そら うまれ 盲人めしい 突出つきいだ 累々やつやつ あわ 自家おのれ 舞下まいさぐ とおく 便べん なだ あまり 一時ひとしきり くわだ めしい おこ 異腹いふく ともな かえりみ 壮者わかいもの つか 多分おおく しゅ さん 煮染にし 漕出こぎいだ あらわ とまり 気力きあい 容喙まぜかえ 女房かみさん