“暴風”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あらし50.0%
しけ19.2%
ぼうふう13.8%
ばうふう3.8%
はやて3.8%
あれ3.1%
アラシ2.3%
ばうう1.5%
あらしの0.8%
はやち0.8%
サウエスター0.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
吉「旦那、棄てるのならわっちに下せえまし、弁当も何も此の暴風あらしで残らず流してしまったア、旦那が上らねえなら私どもに下せえな」
後の業平文治 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
この一こう五十二艘の大船は、はじめはつつがない海路にみえたが、やがて遠州灘えんしゅうなだにさしかかったとき、大きな暴風しけに出会ってしまった。
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
津浪つなみとはなみすなはみなとあらはれる大津浪おほつなみであつて、暴風ぼうふうなど氣象上きしようじよう變調へんちようからおこることもあるが、もつとおそろしいのは地震津浪ぢしんつなみである。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
現今いまではそれがつたといふのは、一おそうた暴風ばうふうために、あつ草葺くさぶき念佛寮ねんぶつれうはごつしやりとつぶされた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
その方にチラリと眼を奪われた瞬間に、虚空をつんざく非常汽笛と、大地を震撼する真黒い音響とが、私の一尺横を暴風はやてのように通過した。
空を飛ぶパラソル (新字新仮名) / 夢野久作(著)
一人女ひとりをんな」「一人坊主ひとりばうず」は、暴風あれか、火災くわさいか、難破なんぱか、いづれにもせよ危險きけんありて、ふねおそふのてうなりと言傳いひつたへて、船頭せんどういたこれめり。其日そのひ加能丸かのうまる偶然ぐうぜんにん旅僧たびそうせたり。
旅僧 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
朝曇り後晴れて、海のやうに深碧フカミドリいだ空に、昼過ぎて、白い雲がシキりにちぎれ/\に飛んだ。其が門渡トワタる船と見えてゐる内に、暴風アラシである。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
数日処をうつさず、一日暴風ばううに水まして光りし物所をうしなふ、のち四五町川下に光りある物螢火けいくわの如し。
囚人来る暴風あらしの雨中を
囚人 (新字旧仮名) / 渡久山水鳴(著)
かの暴風はやちはれて來る魂を見き、すなはちいふ、師よ、黒き風にかく懲さるゝ此等の民は誰なりや —五一
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
「それはお前、あの帽子の被り方さ。暴風サウエスター帽はあのとおり被ったもんだよ」
断層顔 (新字新仮名) / 海野十三(著)