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暴風
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ばうふう
現今ではそれが
無く
成つたといふのは、一
度此の
地を
襲うた
暴風の
爲に、
厚い
草葺の
念佛寮はごつしやりと
潰された。
仰付られしが一同とも
神妙に致し居る樣申付くべしとの言葉に三人は
平伏して御意の趣き
委細承知仕れり
實に月に
浮雲の
障り花に
暴風の
憂ひ天下の御爲忠義を
命のかぎりなれば
夫婦声をあげほうい/\と
哭叫ども、
往来の人もなく
人家にも
遠ければ
助る人なく、手足
凍て
枯木のごとく
暴風に
吹僵れ、
夫婦頭を
並て雪中に
倒れ
死けり。
靜かな、
穩かな
日中に
處して、
猶且つ
暴風に
揉まれ、
搖らるゝ、
其の
瞬間の
趣あり。
字書に
頽は
暴風ともあればよく
叶へるにや。さて
雪頽は
雪吹に
双て雪国の
難義とす。
高山の雪は里よりも
深く、
凍るも又里よりは
甚し。我国東南の山々
里にちかきも雪一丈四五尺なるは
浅しとす。
二百十
日から廿
日の
間に
渡つての
暴風は
懸念した
程のことはなく
暴風四方の雪を吹
散して白日を
覆ひ、
咫尺を
弁ぜず。
暴風四方の雪を吹
散して白日を
覆ひ、
咫尺を
弁ぜず。