“頽”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
くず52.7%
くづ17.0%
すた11.6%
なだ6.3%
くずお2.7%
おち0.9%
おと0.9%
くずほ0.9%
くづれ0.9%
こわ0.9%
たい0.9%
たお0.9%
ただ0.9%
たふ0.9%
0.9%
ナガ0.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
国中に内乱の起った場合で取りくずす人夫も無く其のまま主人を見殺し、イヤ聞き殺しにした、けれど真逆まさかそうとも発表が出来ぬから
幽霊塔 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
竹苑椒房の音に變り、やぶくづれたる僧庵に如何なる夜をや過し給へる、露深き枕邊に夕の夢を殘し置きて起出で給へる維盛卿。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
兄弟の父は今申す鎧師、その頃は鎧師などいう職業はほとんどすたっていましたし、それに世渡りの才はうとい人で、家は至って貧乏でした。
乗り合いは前後に俯仰ふぎょうし、左右になだれて、片時へんじも安き心はなく、今にもこの車顛覆くつがえるか、ただしはその身投げ落とさるるか。
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
内田君がもぐもぐと口をく度に、沸々と泡立つコップの中で、その迪子がニタニタとくずおれるように嗤うのである。
古傷 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
これはかねて世界最大の噴火口の旧跡と聞いていたがなるほど、九重嶺の高原が急におちこんでいて数里にわたる絶壁がこの窪地の西をめぐっているのが眼下によく見える。
忘れえぬ人々 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
既に彼を存するの風をおとし俗をみだ所以ゆゑんなるを知り、彼を除くの老をたすけ幼を憐む所以なるを知る。是に於て予が殺害の意志たりしものは、おもむろに殺害の計画と変化し来れり。
開化の殺人 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
わが横にいたくずほれ歎く者ありと蟋蟀とりなして鳴く
晶子鑑賞 (新字旧仮名) / 平野万里(著)
これがくづれを挽回するの策を講ずるなし、かへつてこの気運を煽動し、人才登用を名として、為に門戸を啓き、名望あるの士を迎へてくらはしむるに黄金をもつてし、籠絡して自家の藩籬に入れ
誰が罪 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
あだかもかの厳島いつくしまの社の廻廊が満つる潮に洗われておるかのように見える、もっと驚いたのは、この澄んでいる水面から、深い水底みなそこを見下すと、土蔵の白堊はくあのまだこわれないのが
雪の透く袖 (新字新仮名) / 鈴木鼓村(著)
字書じしよたい暴風ばうふうともあればよくかなへるにや。さて雪頽なだれ雪吹ふゞきならべて雪国の難義なんぎとす。高山たかやまの雪は里よりもふかく、こほるも又里よりははなはだし。我国東南の山々さとにちかきも雪一丈四五尺なるはあさしとす。
闇の中に、ナイフがひらめくと、源吉の躰は、くたくたと生首の上にたおれ、どぶの中に転がり落ちた。
鉄路 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
女は生れさえすりゃ誰でも処女だ、純潔だのに、一人で純潔がって廓の売色を、けがれた、ただれた、浅ましい、とその上に、余計な事を、あわれがって、慈善家がって、おつう済まして、ツンと気取った。
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
をぎ一四六尾花のたけ人よりもたかく生茂おひしげり、露は時雨めきて降りこぼれたるに、一四七三つのみちさへわからざる中に、堂閣の戸右左みぎひだりたふれ、方丈はうぢやう一四八庫裏くりめぐりたるらう
大抵はげた頭の後の方に、黄茶色の細い毛が少しばかり並んで居る。
農村 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
総身ヲ削ツテドンランニ ナガレコムノダ
逸見猶吉詩集 (新字旧仮名) / 逸見猶吉(著)