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頽
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すた
ふりがな文庫
“
頽
(
すた
)” の例文
兄弟の父は今申す鎧師、その頃は鎧師などいう職業はほとんど
頽
(
すた
)
っていましたし、それに世渡りの才は
疎
(
うと
)
い人で、家は至って貧乏でした。
幕末維新懐古談:77 西町時代の弟子のこと
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
畏
(
かしこ
)
きあたりの御事は申すも畏し、一般の華族と富豪とかいう者は、元来非常に見識を
貴
(
たっと
)
ぶものであるが、それが今では
頽
(
すた
)
れて来た。平民的になって来た。
東京人の堕落時代
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
樺火は少し
頽
(
すた
)
れた。踊がもう始まつたのであらう。太皷の音は急に高くなつて、調子に合つてゐる。唄の聲も聞える。人影は次第々々にその方へながれて行く。
鳥影
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
城砦型に建てられた鉄筋コンクリートの小学校は、雨の日はみごとに出水する下町の中で、いやに目立って
聳
(
そび
)
えていた。この一帯は一昔前、震災でぺろり焼け
頽
(
すた
)
れた。
白い壁
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
国々の語部の物語も、現用のうたに絡んだものばかりになり、其さへ次第に
頽
(
すた
)
れて行つたらしい。
国文学の発生(第四稿):唱導的方面を中心として
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
▼ もっと見る
歩と驟と、おのもおのも異に、文と質と同じからずといへども、古を
稽
(
かむが
)
へて
風猷
(
ふういう
)
を既に
頽
(
すた
)
れたるに
繩
(
ただ
)
したまひ、今を照して典教を絶えなむとするに補ひたまはずといふこと無かりき。
古事記:02 校註 古事記
(その他)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
頽
(
すた
)
れゆく旧主家に、救いの神が現われたような気持ちがしたのであった。
春宵因縁談
(新字新仮名)
/
佐藤垢石
(著)
教育が職業となってから、真の教化の精神は
頽
(
すた
)
れたのであった。省みて昔日の私塾をなつかしむ
所以
(
ゆえん
)
である。すなわち、功利主義なるが故に、
徒
(
いたず
)
らに知識を重んじて、徳義を軽んじたのである。
日本的童話の提唱
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「男女七歳にして席を
同
(
おなじ
)
ゅうせず」と言った旧道徳は、徳川幕府の勢威と共に
頽
(
すた
)
れて
仕舞
(
しま
)
って、今は
従兄弟
(
いとこ
)
同志の親しさに、角目立って物を言う人も無いのを幸い、鎧蔵の前の濡れ縁に寄り添って
百唇の譜
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
ごつごつで無細工で荒れて
頽
(
すた
)
れて生活の
如
(
よう
)
に殺風景だが
手
(新字新仮名)
/
今村恒夫
(著)
日は
向
(
むか
)
う
河岸
(
がし
)
の
家畜病院
(
かちくびやうゐん
)
の
頽
(
すた
)
れたる
露台
(
バルコン
)
を染め
東京景物詩及其他
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
私が弟子を置き初めた時分……ちょうど西町時代の初期頃は木彫りが非常に
頽
(
すた
)
れ、ひとえに象牙ばかりが
流行
(
はや
)
った時代。
幕末維新懐古談:76 門人を置いたことについて
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
樺火は
少許
(
すこし
)
頽
(
すた
)
れた。踊がモウ始まつたのであらう、太鼓の音は急に高くなつて、調子に合つてゐる。唄の声も聞える。人影は次第々々にその方へながれて行く。
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
頽
漢検1級
部首:⾴
16画
“頽”を含む語句
衰頽
頽然
雪頽
頽雪
頽廃
廃頽
頽廃的
胡頽子
頽唐
人雪頽
崩頽
頽勢
敗頽
廃頽的
頽齢
頽廢
廃頽期
頽廢堂
傾頽
頽折
...