“疎”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
うと40.6%
まば25.8%
まばら14.2%
おろそ7.7%
2.9%
あら2.3%
おろそか1.4%
うとん1.4%
おろ1.1%
うとま0.8%
すく0.5%
ウト0.3%
0.2%
おろか0.2%
すくな0.2%
まだら0.2%
マダ0.2%
マバ0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
下剃の幾松をうとましく見たのはまことに自然な成行きで、幾松がそれを悲観して、極度の憂鬱症メランコリーに陥ったのも考えられることでした。
朧月おぼろづきに透して見るまでもなく、磁石じしやくと鐵片のやうに、兩方から駈け寄つた二人が、往來の人足のまばらなのを幸ひ、ひしと抱き合つた時
斷崖の一隅にがんの形をなしたる低き岸あり。灌木まばらに生じて、深紅の花を開ける草之にまじれり。岸邊には一隻の帆船を繋げるを見る。
愛と理性との高い教育をおろそかにしている以上、どの家庭婦人も高雅な情味を持つ訳がないのです。家屋の内外には関係がありません。
また日本とも二千年来よほど関係のある土地であるにもかかわらず、人口はであって、すべて経済上の発達はよほど幼稚である。
東亜の平和を論ず (新字新仮名) / 大隈重信(著)
……で、すこしきしをさがつたところで、中流ちうりう掛渡かけわたした歩板あゆみいたわたると、其處そこ木小屋きごやはしらばかり、かこひあらい「獨鈷とつこ。」がある。
雨ふり (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
衣服などさる可く、程を守りたるが奥幽おくゆかしくて、誰とも知らねどさすがにおろそかならず覚えて、彼は早くもこのまらうどの席を設けて待てるなりき。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
衆人醉へる中に獨り醒むる者はれられず、斯かる氣質なれば時頼はおのづから儕輩ひと/″\うとんぜられ、瀧口時頼とは武骨者の異名いみやうよなど嘲り合ひて
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
最初のうち、私はそうした配達手君の敬礼に対して、机の前に座ったまま、必ず目礼を返すことにしていたが、そのうちにだんだんとおろそかになって来た。
眼を開く (新字新仮名) / 夢野久作(著)
それに若旦那も梁庵先生のところへ行つて、お縫の容態の唯事でないことを知り、次第にうとましい素振りを見せた。
私は一二歩思はず身をけた。そしてそこに寝衣姿ねまきすがたの伯母を見た。私は首を垂れて立ちすくんだ。
世の中へ (新字旧仮名) / 加能作次郎(著)
葬儀に際してウトアラび来る死の凶霊を、百獣の王である獅子の威光によって、払い除ける呪力あるものとして、用いたのに始まると考えている。
獅子舞雑考 (新字新仮名) / 中山太郎(著)
たちて與へざる事なども有しかば藤五郎は倩々つく/″\おもふやう實子佐五郎出生以來養父母には我が兄弟をとんずること甚しければ兄弟の中へはとても家督かとくゆづるまじ家名かめい相續さうぞくの出來ぬものなれば身を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
いつも優くして下さるのはあだおろかな事ぢやないと、私はうれしいより難有ありがたいと思つてゐます。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
「さようなればお二方に、失礼ながらお願い申し上げまする。今宵も今宵、湯島なる、人目にすくなき茶屋の奥にて、お春と会う手筈ゆえ、御都合よくばお邸より、かの家までお伴をいたしとう存じまする」
艶容万年若衆 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
そんなはずはないと心得ていながら、俥の梶棒があがる時、伸子はもう一遍、水のまかれた日光のささない三和土たたきの上で、小荷物運搬の手押車をよけよけかたまっているまだらな群集の中を物色した。
伸子 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
一 マダケスマジキ事
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
高原をヒラいて、間引マビいたマバらな木原コハラの上には、もう沢山の羽虫が出て、のぼつたりサガつたりして居る。たつた一羽のウグヒスが、よほど前から一処を移らずに、鳴き続けてゐるのだ。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)