“疎”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
うと39.3%
まば25.9%
まばら15.9%
おろそ7.5%
2.7%
あら2.3%
うとん1.5%
おろそか1.5%
おろ1.0%
うとま0.6%
(他:9)1.8%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“疎”を含む作品のジャンル比率
文学 > 日本文学 > 小説 物語9.5%
文学 > 日本文学 > 詩歌1.9%
文学 > 日本文学 > 評論 エッセイ 随筆1.4%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
彼らは僕の母の肉薄に応ずる準備としてまえもって僕をうとんずるような素振そぶりを口にも挙動にもけっして示さなかった。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
わたしは学問をする人間で、書物にうずもれているものですから、実生活のほうには、これまでずっとうとかったわけです。
しかし玉川という地域は、人家こそまばらであったが、なにしろ広い土地のことだから、どこから調べてよいか見当がつかない。
恐怖の口笛 (新字新仮名) / 海野十三(著)
思ひ出した昔懐かしい話に、酔つたお文を笑はして、源太郎は人通りのまばらになつた千日前を道頓堀へ、先きに立つて歩いた。
鱧の皮 (新字旧仮名) / 上司小剣(著)
その毛は五分ごぶくらいなのと一寸いっすんくらいなのとがまじって、不規則にしかもまばらにもじゃもじゃしている。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
彼が、待ちあぐんでゐる裡に、聴衆は降り切つてしまつたと見え、下足の前に佇んでゐる人の数がだん/\まばらになつて来た。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
文章を書くものにとつて、句読点ほどおろそかに出来ないものはない。合衆国政府は、この句読点一つで二百万弗損をした事がある。
学資に不自由なく身体健全なる学生諸君、諸君の資格は実に尊い資格である、諸君は決して其の尊い資格をおろそかにしてはならぬ。
家庭小言 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
と富士男はいった。一同はいまさらながら、天網恢々てんもうかいかいにしてらさずという古言こげんを味わった。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
遮莫さもあれ農をオロカと云うは、天網てんもうい、月日をのろいと云い、大地を動かぬと謂う意味である。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
何時の間に着替えたのか、姉は肩のピンと糊でつっ張った紫と白とのあらい棒縞の衣裳を着ていた。
可哀相な姉 (新字新仮名) / 渡辺温(著)
かれはそれから身體からだかたまるやうにおもひながら、あら白髮しらがくしけづられるのをも、かすか感覺かんかくいうした。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
「そうだ、姑息な示談などで泣寝入りしては破滅だと、わしが熱心に説けば説くほどうとんぜられたり嫌われたりした」
渡良瀬川 (新字新仮名) / 大鹿卓(著)
たちましたしみ、忽ちうとんずるのが君のならいで、み合せた歯をめったに開かず、真心を人の腹中に置くのが僕の性分であった。
われわれの詩が、当然未来を対象とせなければならない所に、重点を置いて考えれば、詩に於ては、未来語の開拓発見をおろそかにしてはならない。
詩語としての日本語 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
衣服などさる可く、程を守りたるが奥幽おくゆかしくて、誰とも知らねどさすがにおろそかならず覚えて、彼は早くもこのまらうどの席を設けて待てるなりき。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
紅葉門下が秋声しゅうせい一人を除くの外は皆外国語におろそかであったは師家の厳しい教訓のためであった。
最初のうち、私はそうした配達手君の敬礼に対して、机の前に座ったまま、必ず目礼を返すことにしていたが、そのうちにだんだんとおろそかになって来た。
眼を開く (新字新仮名) / 夢野久作(著)
それに若旦那も梁庵先生のところへ行つて、お縫の容態の唯事でないことを知り、次第にうとましい素振りを見せた。
今我々親子の世間からうとまれてゐるのは、自業自得の致すところで
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
やがて重々しい音を立てて表戸が開かれ、中の方からさつと明りがさした。私は一二歩思はず身をけた。そしてそこに寝衣姿ねまきすがたの伯母を見た。私は首を垂れて立ちすくんだ。
世の中へ (新字旧仮名) / 加能作次郎(著)
立ちすくんだK君、
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
この家も世間どほりに、女部屋は、日あたりにウトい北の屋にあつた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
私は、支那から渡来した獅子舞の目的は(伎楽としての目的はしばらく別問題として)、葬儀に際してウトアラび来る死の凶霊を、百獣の王である獅子の威光によって、払い除ける呪力あるものとして、用いたのに始まると考えている。
獅子舞雑考 (新字新仮名) / 中山太郎(著)
さぞ陰ぢや迷惑もしておいでなんだらうに、逢ふたんびに私の身を案じて、いつも優くして下さるのはあだおろかな事ぢやないと
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
「さようなればお二方に、失礼ながらお願い申し上げまする。今宵も今宵、湯島なる、人目にすくなき茶屋の奥にて、お春と会う手筈ゆえ、御都合よくばお邸より、かの家までお伴をいたしとう存じまする」
艶容万年若衆 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
そんなはずはないと心得ていながら、俥の梶棒があがる時、伸子はもう一遍、水のまかれた日光のささない三和土たたきの上で、小荷物運搬の手押車をよけよけかたまっているまだらな群集の中を物色した。
伸子 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
一 マダケスマジキ事
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
高原をヒラいて、間引マビいたマバらな木原コハラの上には、もう沢山の羽虫が出て、のぼつたりサガつたりして居る。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)