“すくな”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:スクナ
語句割合
46.4%
35.8%
8.4%
4.6%
3.1%
些少0.2%
鮮少0.2%
0.2%
宿儺0.2%
寡少0.2%
少名0.2%
0.2%
0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それら全体の諸関係をひっくるめて友情につつんでいてくれる決してすくなくない友人たちのいるということ。なかなか私は幸福者です。
卯平うへい何時いつたれがさうしたのかむしろうへよこたへられてあつた。かれすくな白髮しらがはらつていた火傷やけどのあたりをうてた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
「三十而立塩田子。言行寡尤徳惟馨。」〔三十ニシテ立ツ塩田子/言行とがすくなク徳かおル〕随斎はその時二十八歳であったのである。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
香取秀真かとりほつま氏が法隆寺の峰の薬師で取調べたところにると、お薬師様に奉納物ほうなふものの鏡には、随分すぐれた価値ねうちのものもすくなくなかつたが
私はこのお話で多少でも本当の事と迷信との間に境界線が引けたとしたならば、すくなくも私が朝夕弾いているこの一台のピアノだけは、非常にそれを喜んでくれるであろう。
音楽界の迷信 (新字新仮名) / 兼常清佐(著)
尾鰭をひれを付けて人は物を言ふのが常、まして種牛の為に傷けられたといふ事実は、些少すくなからず好奇ものずきな手合の心を驚かして、いたる処に茶話の種となる。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
働好な、壮健たつしやな、人の好い、しかも子の無い叔母は、いつまでも児童こどものやうに丑松を考へて居るので、其児童扱こどもあつかひが又、些少すくなからず丑松を笑はせた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
く働くことに掛けては男子にもまさる程であるが、教員の細君で野面のらにまで出て、烈しい気候を相手に精出すものも鮮少すくない。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
信州人ほど茶をたしなむ手合も鮮少すくなからう。ういふ飲料のみものを好むのは寒い山国に住む人々の性来の特色で、日に四五回づゝ集つて飲むことを楽みにする家族が多いのである。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
加之しかのみならず先生の識見、直ちに本来の性情より出で、つとに泰西輓近ばんきんの思想を道破せるものすくなからず。其の邪を罵り、俗をわらふや、一片氷雪の気天外より来り、我等の眉宇びうたんとするの概あり。
「鏡花全集」目録開口 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
また飛騨ひだでは宿儺すくながそむいて、討ち殺された。天皇が死ぬと、その子のなかつ皇子が反逆をおこしている。
室数まかず多けれども至ってひと寡少すくななる深川のやかたは、その夜よりにぎわしくなれり。綾子が厚きなさけにて、ただにかの婦人のみならず、なお彼に附随せる犬をもあわせて養いぬ。
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「さようなればお二方に、失礼ながらお願い申し上げまする。今宵も今宵、湯島なる、人目にすくなき茶屋の奥にて、お春と会う手筈ゆえ、御都合よくばお邸より、かの家までお伴をいたしとう存じまする」
艶容万年若衆 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
もとより長き放埒ほうらつに、貧しく乏しくなりはしても、玉より輝く美容のために身を粉にしても、入揚いれあぐる娼婦しょうふの数もすくなくないのでした。
艶容万年若衆 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)