鮮少すくな)” の例文
く働くことに掛けては男子にもまさる程であるが、教員の細君で野面のらにまで出て、烈しい気候を相手に精出すものも鮮少すくない。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
信州人ほど茶をたしなむ手合も鮮少すくなからう。ういふ飲料のみものを好むのは寒い山国に住む人々の性来の特色で、日に四五回づゝ集つて飲むことを楽みにする家族が多いのである。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
彼程あれほど学問が無くて、彼程蔵書の多いものも鮮少すくなからう、とは斯界隈このかいわいでの一つ話に成つて居る。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)