“克”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
62.9%
23.4%
こく5.6%
よく1.6%
かな0.8%
かつ0.8%
あた0.8%
0.8%
かた0.8%
0.8%
よき0.8%
0.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
これはあたかも茶碗やランプを相手にする者は力あるものと信じ、取りも直さず器具につことをもって偉いこととみなすのである。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
左様さう貴方のやうに言つたものでも有ませんよ。未来さきの事を夢に見るといふ話はく有ますよ。どうも私は気に成つて仕様が無い。』
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
丈夫さうであぶらぎつて、三十過ぎまでニキビを持越して居る獨り者、無口で一こくで、そのくせ氣の弱さうな、一種の劣等感と
よくもああ身体からだが動くと思われる位に、勤勉まめ働好はたらきずきな御方でした。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
まる淑女レディ扮装いでたちだ。就中なかんづく今日はめかしてをつたが、何処どこうまい口でもあると見える。那奴あいつしぼられちやかなはん、あれが本当の真綿で首だらう
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
字引じびきを見ると、かつの字はもと家をささうる材木の意味であり、したがって人の場合には重荷をになってえる意を含ませてあるとくが、これはいわゆる勝つ所以ゆえんを最もよく表したものと思う。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
物の弊あるは物のせいなり。聖人といえどもあらかじめこれがそなえをなすあたわざるなり。羅瑪ローマくにを復するや教門の力により、その敗るるやまた教門によれり。
教門論疑問 (新字新仮名) / 柏原孝章(著)
「けれども有物あるものだから、所好すきなら飲んでもらはう。お前さんもくのだらう」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
聞て我輩おほいに驚けりおのれの心己れが嗜欲にかたざるを知り罪を犯せし後にくゆとも犯さゞる前にかへらざるを知り浪費せざる前に早く物と換へて其災ひを未前みぜんに防ぐ智といふべし歸りて父の温顏を見るを
木曽道中記 (旧字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
刹那々々の短い歓楽を謳歌して、数千万の水球の群れが、山と山とに囲まれてゐる狭い喉を、我ちに、先を争つて通過してゆくのである、一分一秒は、白く泡立つ波と、せゝらぐ水の音に
天竜川 (新字旧仮名) / 小島烏水(著)
もうけ當年十七歳に成候是と申も皆貴殿の御厚恩ごこうおんなれば一度は御禮の書状も差上度さしあげたく心得候へども世間へ憚りあるゆゑそれかなはず只々明暮あけくれおもくらし居るにのみに御座候處先づは御揃おそろひ遊ばし御機嫌ごきげんよき御樣子大悦に存じ奉つるとは申ものゝ大橋氏には如何してこの御體ごていたらくに候や存ぜぬこととは
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ク人ヲ休メ得ル者ハ、又克ク人ノ死力ヲ用イ得ル者也
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)