かな)” の例文
まる淑女レディ扮装いでたちだ。就中なかんづく今日はめかしてをつたが、何処どこうまい口でもあると見える。那奴あいつしぼられちやかなはん、あれが本当の真綿で首だらう
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
こは事難ことむづかしうなりぬべし。かなはぬまでも多少は累を免れんと、貫一は手をこまぬきつつ俯目ふしめになりて、つとめてかかはらざらんやうに持成もてなすを、満枝は擦寄すりよりて
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
蒲田が思切りたる無法にこの長居はあやふしと見たれば、心に恨は含みながら、おもてにはかなはじと閉口して、重ねて難題のでざる先にとかくは引取らんと為るを
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)