“擦寄”の読み方と例文
読み方割合
すりよ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
とまた擦寄すりよった。謙造は昔懐むかしなつかしさと、お伽話とぎばなしでもする気とで、うっかり言ったが、なるほどこれは、と心着いて、急いで言い続けて
縁結び (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「どこに」と女は崩した、からだを擦寄すりよせる。余の顔と女の顔が触れぬばかりに近づく。細い鼻の穴から出る女の呼吸いきが余のひげにさわった。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
平三郎はその手を払いけた。それでも婢は盃を放さずに、平三郎の傍へ擦寄すりよって往って無理に持たそうとした。平三郎はそれをまた押しのけた。
水面に浮んだ女 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)