“擦抜”の読み方と例文
旧字:擦拔
読み方割合
すりぬ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
親らしい男は馬をいて、其小供の群に声を掛けて通り、姉らしい若い女は細帯を巻付けたまゝで、いそ/\と二人の側を影のやうに擦抜すりぬけた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
花売はなうりは、たもとめた花片はなびらおしやはらはら、そでを胸に引合せ、身を細くして、高坂の体を横に擦抜すりぬけたその片足もむぐらの中、路はさばかり狭いのである。
薬草取 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
たまに礼をする者があつても、行違ふ時はこそこそと擦抜すりぬけるやうにして行つた。
(新字旧仮名) / 石川啄木(著)