“すりぬ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
摺抜52.9%
擦抜17.6%
摩脱11.8%
摺拔5.9%
摺脱5.9%
擦拔5.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
透かさぬ早業はやわざさかさに、地には着かぬ、が、無慚むざんな老体、蹌踉よろよろとなって倒れる背を、側の向うの電信柱にはたとつける、と摺抜すりぬけに支えもあえず、ぼったら焼のなべを敷いた
白金之絵図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
花売はなうりは、たもとめた花片はなびらおしやはらはら、そでを胸に引合せ、身を細くして、高坂の体を横に擦抜すりぬけたその片足もむぐらの中、路はさばかり狭いのである。
薬草取 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
圭一郎は抑へられてゐた壓石おもしから摩脱すりぬけられたやうな、活き返つた喜びを感じた。
崖の下 (旧字旧仮名) / 嘉村礒多(著)
あれ、摺拔すりぬけようともがきますときとびらけて、醫師いしやかほしました。なにをじたばたする、のお仙人せんにんきさまくのだ、と睨付にらみつけてまをすのです。
みつ柏 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
何とかして一日も早く接近したいが、如何どうも顔を合せると、物が言えなくなる。昼間廊下で行逢った時など、女は小腰をかがめて会釈するような、せんような、曖昧な態度で摺脱すりぬけて行く。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
もつとそれまでにも、小當こあたりにあたることは、板屋いたやはし團栗どんぐりことならずで、蜘蛛くもごと袖褄そでつまいてたのを、やなぎかぜけつながしつ、擦拔すりぬけるせてところ義理ぎりあるおとうと内氣うちきをんな
一席話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)