摺脱すりぬ)” の例文
何とかして一日も早く接近したいが、如何どうも顔を合せると、物が言えなくなる。昼間廊下で行逢った時など、女は小腰をかがめて会釈するような、せんような、曖昧な態度で摺脱すりぬけて行く。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)