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摺抜
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すりぬ
ふりがな文庫
“
摺抜
(
すりぬ
)” の例文
旧字:
摺拔
どうして
貴僧
(
あなた
)
、
摺抜
(
すりぬ
)
けられよう、突離されよう、振切られましょう、私は引寄せます、
抱緊
(
だきし
)
めます。
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
透かさぬ
早業
(
はやわざ
)
、
頭
(
ず
)
を
倒
(
さかさ
)
に、地には着かぬ、が、
無慚
(
むざん
)
な老体、
蹌踉
(
よろよろ
)
となって倒れる背を、側の向うの電信柱にはたとつける、と
摺抜
(
すりぬ
)
けに支えもあえず、ぼったら焼の
鍋
(
なべ
)
を敷いた
白金之絵図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
犬の死骸じゃなかろうかと、
摺抜
(
すりぬ
)
けようとしたけれども、
頬擦
(
ほおず
)
るばかりの
鬢
(
びん
)
の
薫
(
かおり
)
に。……
沼夫人
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
きっと誰かが言合わせて、人を頼んだか、それとも自から化けたか、暗い中から
密
(
そっ
)
と
摺抜
(
すりぬ
)
ける事は出来たんだ。……夜は更けたし、潮時を見計らって、……
確
(
たしか
)
にそれに相違無い。
吉原新話
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
婦人
(
おんな
)
は
上框
(
あがりがまち
)
に立ちたるまま、
腕
(
かいな
)
を延べたる半身、
斜
(
ななめ
)
に狭き
沓脱
(
くつぬぎ
)
の上に
蔽
(
おお
)
われかかれる。その袖の下を
掻潜
(
かいくぐ
)
りて、
衝
(
つ
)
と
摺抜
(
すりぬ
)
けつつ、池ある
方
(
かた
)
に走り
行
(
ゆ
)
くをはたはたと追いかけて、
後
(
うしろ
)
より
抱
(
いだ
)
き
留
(
とど
)
め
照葉狂言
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
蔵屋の倉は
堪
(
たま
)
りかねて、
睨
(
ね
)
めながら米を
摺抜
(
すりぬ
)
けて、島野に走り寄った。
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
摺抜
(
すりぬ
)
けようとするんだがね、六畳の狭い座敷、
盲目
(
めくら
)
でも自分の
家
(
うち
)
だ。
歌行灯
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
摺抜
(
すりぬ
)
けて
駈出
(
かけだ
)
しもしかねない様子に見え、左に、右に、その
面
(
おもて
)
を背けたが、梓の手と、声と、
語
(
ことば
)
と、真心は、ますます力が
籠
(
こも
)
ったから、身も世もあらず、動きもならずいうこと、ここに到る
頃
(
ころお
)
いの
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
すぐに
摺抜
(
すりぬ
)
けて出直したのを見れば、うどん、当り屋とのたくらせた穴だらけの
古行燈
(
ふるあんどん
)
を提げて出て、
筵
(
むしろ
)
の上へ、ちょんと直すと、
奴
(
やっこ
)
はその蔭で、膝を折って、
膝開
(
ひざはだ
)
けに
踏張
(
ふんば
)
りながら、
件
(
くだん
)
の渋団扇で
陽炎座
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
国麿の手は
弛
(
ゆる
)
みぬ。われは
摺抜
(
すりぬ
)
けて
傍
(
かたえ
)
に寄りぬ。
照葉狂言
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
摺
漢検準1級
部首:⼿
14画
抜
常用漢字
中学
部首:⼿
7画
“摺”で始まる語句
摺
摺鉢
摺寄
摺違
摺物
摺足
摺剥
摺付
摺硝子
摺餌