“奴”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
やつ49.2%
21.9%
やっこ16.7%
やつこ5.1%
いつ2.2%
0.7%
ヤツコ0.6%
うぬ0.4%
0.3%
うな0.2%
おの0.2%
しもべ0.2%
げなん0.2%
0.2%
0.1%
うん0.1%
がき0.1%
さかな0.1%
しもをとこ0.1%
0.1%
0.1%
もの0.1%
やざ0.1%
やち0.1%
やっ0.1%
やっこの0.1%
やッ0.1%
ヤッコ0.1%
ヤツ0.1%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
いやわしくさみ一つせぬくらゐ、おふくろときたまれいみちやつはじめるがの
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
アヽやつ屹度きつとものはうとするとボーと火かなに燃上もえあがるにちげえねえ、一ばん見たいもんだな
黄金餅 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
オルクンは、わたくし共の様子を見て、疑はれたのだなとさとつたものですから、仲間の槍を皆取り上げて、一束にして一人の男に渡しました。
「ヨシ、ごろつき、死ぬまでやってやる」私はこう怒鳴ると共に、今度は固めた拳骨で体ごと奴の鼻っ柱を下から上へ向って、小突こづき上げた。
淫売婦 (新字新仮名) / 葉山嘉樹(著)
やっこは絵に在る支那兵の、腰を抜いたと同一おんなじ形で、肩のあたりで両手を開いて、一縮ひとすくみになった仕事着のすそに曰くあり。
式部小路 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
とかくするうちに十日立った。そして新参小屋を明けなくてはならぬときが来た。小屋を明ければ、やっこは奴、はしためは婢の組に入るのである。
山椒大夫 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
「隱したつて駄目だよ、證據は銀流しのかんざしだ。柳橋で藝妓のやつこを殺したのを手始めに、四人まで手にかけた、お前は鬼のやうな女だ」
うれしさうなくちびる艷々つや/\あかいのを、じつながめて、……やつこつゝんでくれた風呂敷ふろしき
松の葉 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「おっと、待てよ。これは悴の下駄を買うのを忘れたぞ。あいつ西瓜すいかが好きじゃ。西瓜を買うと、おれもあ奴も好きじゃで両得じゃ。」
(新字新仮名) / 横光利一(著)
汽船きせん屋根やねへ、あたまをまたいで、かたんでちてますツて。……こいつみはづしてかはへはまると
深川浅景 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
と朱唇おおい気焔きえんを吐けば、秘密のすでにあらわれたるに心着きて、一身の信用地に委せむことを恐るれども、守銭は意を決するあたわず。辞窮して、
金時計 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
売国、国賊、——あるいはそういう名が倉地の名に加えられるかもしれない……と思っただけで葉子は怖毛おぞけをふるって、倉地から飛びのこうとする衝動を感じた。
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
寺のヤツコが、三四人先に立つて、僧綱ソウガウが五六人、其に、大勢の所化シヨケたちのとり捲いた一群れが、廬へ来た。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
そのあねがふじゆうおして出て来たと云てハ、天下の人ニたいしてもはづかしく、龍馬も此三、四年前ニハ、人もしらぬヤツコなれバよろしく候得ども、今ハどふもそふゆうわけニハまいらず、もしおまへさん出かけたれバ、どふしても見すてゝハおかれぬ。
「駄目な事だ。いくらもがいてもこの小六が逃がすものか。さッ、来なければうぬ一突きだぞ」
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
『何だ此畜生奴こんちくしやうめうぬ何故なんしや此家に居る? ウン此狐奴、何だ? 寢ろ? カラ小癪な!默れ、この野郎、默れ默れ、默らねえか? 此畜生奴、乞食ほいど癩病どす、天理坊主! 早速じらからと出て行け、此畜生奴!』
赤痢 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
煙草入たぶこれけたつてぜねだらへえ掻掃かつぱけばはずだ、ほかりやすめえし」小柄こがらぢいさんのひかつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
「誰があんなつに……乞食こじきしたッてあんな奴のお嫁に成るもんか」
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
「あ、だが。馬鹿ばかだな。うなは。さ、べ。」
種山ヶ原 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
「ばか。うなの家来になど、ならなぃ。殺さば殺せ。」
種山ヶ原 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
おのれ小娘、覚悟をしろ。こんな悪戯わるさをして俺の大切な役目を破ったからには生かしておく事は出来ないぞ。どうするか見ておれ」
白髪小僧 (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)
「エエッ、放せ。放さぬか。貴様も悪魔の片割れか。今まで悪魔と馴れ合っていたのか。放せ。放せ。おのレッ」
白髪小僧 (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)
建安の村に住んでいる者が、常に一人の小さいしもべを城中のいちへ使いに出していました。
「また受造者つくられしものみづから敗壊やぶれしもべたることを脱れ神の諸子こたちさかえなる自由にいらんことをゆるされんとの望をたもたされたり」(羅馬書第八章二十一節)とあるは即ちこれなり。
主のつとめ (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
じょちゅうげなんあやまちをしでかして、主婦に折檻せっかんせられるような時には、嬰寧の所へ来て、一緒にいって話してくれと頼むので、一緒にいってやるといつもゆるされた。
嬰寧 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
と、みると呉の家の小さなげなんが汗を流し息を切らして走ってきた。
嬌娜 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
お前さんに誘い出されて向島うわてくんだりへ往ってさ、二晩や三晩うちを明けた事も有ります、それもいけど、あんな人のだからお前さんと遊ぶにも、お前さんだって有り余る身代じゃアなし、身上みあがりをしたり
松と藤芸妓の替紋 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
ふつと自分の左右をふりかへつて見ると、男は、その美貌と、金と、程のよい扱ひぶりと、もともと浮気な気性からとで、若いに目をかけたり、腕のすぐれた年増芸者と張り合つたりして居るのに気がついてくる、矢も楯もたまらないやうになつて
瘢痕 (新字旧仮名) / 平出修(著)
——かくてこそ一家は円滑に、その営みはよく治まって参りますが、仮に、その家の主が、ともなりともなり、独りですべてをなそうとしたらどうなりましょう。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ありがとうございます。——たとえば、一家の営みを見ましても奴婢ぬひがおれば、は出でて田を耕し、は内にあってあわかしぐ。——鶏はあしたを告げ、犬は盗人の番をし、牛は重きを負い、馬は遠きに行く。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
金田 うんこそなんか、そぎやんふとあしば、やあち……。おい、とみ公、コンニヤクを一杯……。
牛山ホテル(五場) (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
「おゝ/\わるがきがの……そこが畜生ちくしやうあさましさぢや、澤山たんとうせいよ。ばいて障子しやうじければ、すぐに人間にんげんもどるぞの。」と
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「アトから古い漁師に聞いてみましたら、それは珍らしいものを見なさった。それはやっぱり鮫の仲間で、鯨の新婚旅行には附き物のマクラうおチウさかなで……」
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
此主が女房、ねたみふかき者なるが、此事をもれ聞きて瞋恚しんいのほむらに胸をこがし、しもをとこをひそかにまねき、『かの女を殺すべし、よく仕了しおほせなば金銀あまたとらすべし』と云ひければ、この男も驚きしが、元来慾心ふかき者なれば、心安く受合うけあひける。
案頭の書 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
『ナニ。生きとるかも知れん。馬鹿け。見てんやい。眼球ア白うなっとるし、睾丸きんたまも真黒う固まっとる。浅蜊あさり貝の腐ったゴト口開けとるばドウするケエ』
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
たい院長が降りてゆくと、階下の物音はすぐやんだ。そして彼はまもなくくろのようなかちかちに肉のまった凄い男を一人つれて階上へもどって来た。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「北京にゐるやつは、何うも行くのをいやがりましてな。何しろ遠いんですから。向うから来てゐるものでないと、何うしても行かうとは言はないんです?」
(新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
泥棒どろぼうなんぞするやざあ、わし大嫌だえきれえでがすから、わしはたけ茄子なすもぎつたんだつてちやんとつちやんでがすから
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
大胆ものめが、土性骨の太いやちや。
南地心中 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「えげつないやっちゃな」
一九二七年春より (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
秀調の針妙水無瀬しんみょうみなせは小町の難義を救ふ役なるが、作者がえたいの知れぬものを拵へしため、やっこの小万が戸迷とまどひをしたといふ形あり。
まアあんたは、粂之助を贔屓にしておるで、そう思いなはるのじゃ、これ粂之助ちょっと此処これへ来い、おのれはまだ年は十九で、虫も殺さぬような顔附をして居るが太いやッちゃ、ていよくお嬢様を誘い出して、不忍弁天の池のふちの淋しい処でお嬢様を殺して
闇夜の梅 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
貞奴の旅情をなぐさめるためにと、旅宿の近所で花火をあげさせてばかりいた男の事や、彼女の通る街筋まちすじの群集が、「ヤッコヤッコ」と熱狂して馬車を幾層にも取廻とりまいてしまったという事や
マダム貞奴 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
 体中をもって狂いまわる血のヤツめが思う御人の前にその体をつきたおすのじゃ。
葦笛(一幕) (新字新仮名) / 宮本百合子(著)