“奴”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
やつ49.1%
22.0%
やっこ16.6%
やつこ5.3%
いつ2.1%
0.6%
ヤツコ0.5%
うぬ0.4%
0.3%
うな0.2%
おの0.2%
しもべ0.2%
げなん0.2%
0.2%
きやつ0.1%
0.1%
0.1%
うん0.1%
がき0.1%
きや0.1%
さかな0.1%
しもをとこ0.1%
ちご0.1%
0.1%
0.1%
もの0.1%
やざ0.1%
やち0.1%
やっ0.1%
やっこの0.1%
やッ0.1%
ヤッコ0.1%
ヤツ0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「往来で物を云いかける無礼な」と云う感情を何処へか引込めてしまって、我知らず月給取りの根性をサラケ出したのである。
途上 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
「何ぬかす、あんぽんたん。わいが寝こんでしもて、孫がどうなるもんか。ベンゲットの他あやんは、敲き殺しても死なへんぞ。」
わが町 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
「隠したって駄目だよ、証拠は銀流しのだ、柳橋で芸妓を殺したのを手始めに、四人まで手にかけた、お前は鬼のような女だ」
「隱したつて駄目だよ、證據は銀流しのだ。柳橋で藝妓のを殺したのを手始めに、四人まで手にかけた、お前は鬼のやうな女だ」
「おっと、待てよ。これは悴の下駄を買うのを忘れたぞ。あ西瓜が好きじゃ。西瓜を買うと、もあ奴も好きじゃで両得じゃ。」
(新字新仮名) / 横光利一(著)
むかし唐土蔡嘉夫といふ人間、水を避けて南壟に住す。或夜なる鼠浮び来て、嘉夫がに伏しけるを、みて飯を与へしが。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
人もしらぬなれバよろしく候得ども、今ハどふもそふゆうわけニハまいらず、もしおまへさん出かけたれバ、どふしても見すてゝハおかれぬ。
「駄目な事だ。いくらもがいてもこの小六が逃がすものか。さッ、来なければ一突きだぞ」
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いつもやったら私が少しだだねたら、「しょうのないッちゃなあ」いうて、ええ加減にあきらめてしまいますのんに
(新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
「ばか。の家来になど、ならなぃ。殺さば殺せ。」
種山ヶ原 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
れ小娘、覚悟をしろ。こんな悪戯をして俺の大切な役目を破ったからには生かしておく事は出来ないぞ。どうするか見ておれ」
白髪小僧 (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)
「また受造者みづから敗壊たることを脱れ神の諸子なる自由にんことをれんとの望をされたり」(羅馬書第八章二十一節)とあるは即ちなり。
主のつとめ (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
ちをしでかして、主婦に折檻せられるような時には、嬰寧の所へ来て、一緒にいって話してくれと頼むので、一緒にいってやるといつもされた。
嬰寧 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
若いに目をかけたり、腕のすぐれた年増芸者と張り合つたりして居るのに気がついてくる、矢も楯もたまらないやうになつて、彼は男の心の逃亡を引つつかまへようとして
瘢痕 (新字旧仮名) / 平出修(著)
徐々かけ座敷へ上らんとするに下男の彌助心の彌々迷惑に思ひに何とか云て何れにもらぬやう追出して仕廻んともじ/\手を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
かくてこそ一家は円滑に、その営みはよく治まって参りますが、仮に、その家の主が、ともなりともなり、独りですべてをなそうとしたらどうなりましょう。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ですから同行のは恐ろしがってなるべくその視線かられるようにして居るけれども、私はその強盗の進んで来る方向に向って進んだです。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
金田 こそなんか、そぎやんば、やあち……。おい、とみ公、コンニヤクを一杯……。
牛山ホテル(五場) (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
「おゝ/\がの……そこが畜生ましさぢや、澤山うせいよ。ばいて障子ければ、すぐに人間るぞの。」と、さんは、つれ/″\の夜伽にするで、
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
み取んと彼曲者は半四郎が寢たる夜着より徐々と腹のへ手を差入ければ後藤は目をしはてつめが來りしぞと狸寢入をしてかにの夜具を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「アトから古い漁師に聞いてみましたら、それは珍らしいものを見なさった。それはやっぱり鮫の仲間で、鯨の新婚旅行には附き物のマクラチウで……」
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
ふかき者なるが、此事をもれ聞きて瞋恚のほむらに胸をこがし、をひそかにまねき、『かの女を殺すべし、よく仕了せなば金銀あまたとらすべし』
案頭の書 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
その次には金香炉及び種々の宝物箱を持ったが出て来まして、気狂いはその後から来るのです。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
『ナニ。生きとるかも知れん。馬鹿け。見てんやい。眼球ア白うなっとるし、睾丸も真黒う固まっとる。浅蜊貝の腐ったゴト口開けとるばドウするケエ』
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
院長が降りてゆくと、階下の物音はすぐやんだ。そして彼はまもなくのようなかちかちに肉のまった凄い男を一人つれて階上へもどって来た。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「北京にゐるは、何うも行くのをいやがりましてな。何しろ遠いんですから。向うから来てゐるでないと、何うしても行かうとは言はないんです?」
(新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
泥棒なんぞするあ、わし大嫌でがすから、わし茄子つたんだつてちやんとつちやんでがすから、いやくでがす、お内儀さん甘藷りあんしたとも
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
で、胴肩を一つにり上げて、(大胆ものめが、土性骨の太いや。主人のものだとたかをって、大金を何のとも思いくさらん、乞食を忘れたか。)
南地心中 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「えげつないちゃな」
一九二七年春より (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
秀調の針妙水無瀬は小町の難義を救ふ役なるが、作者がの知れぬものを拵へしため、小万が戸迷ひをしたといふ形あり。
これ粂之助ちょっと此処へ来い、はまだ年は十九で、虫も殺さぬような顔附をして居るが太いちゃ、よくお嬢様を誘い出して、不忍弁天の池のの淋しい処でお嬢様を殺して、金を取って
闇夜の梅 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
貞奴の旅情をなぐさめるためにと、旅宿の近所で花火をあげさせてばかりいた男の事や、彼女の通る街筋の群集が、「」と熱狂して馬車を幾層にも取廻いてしまったという事や
マダム貞奴 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
 体中をもって狂いまわる血のめが思う御人の前にその体をつきたおすのじゃ。
葦笛(一幕) (新字新仮名) / 宮本百合子(著)