“奴(や)” の例文
いつもやったら私が少しだだ捏(こ)ねたら、「しょうのない奴(や)ッちゃなあ」いうて、ええ加減にあきらめてしまいますのんに
卍 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
「煙草入(たぶこれ)は燒(や)けたつて錢(ぜね)だら灰(へえ)掻掃(かつぱ)けば有(あ)る筈(はず)だ、外(ほか)に盜(と)る奴(や)ざ有(あ)りやすめえし」小柄(こがら)な爺(ぢい)さんの目(め)は光(ひか)つた。
土 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
「誰があんな奴(や)つに……乞食(こじき)したッてあんな奴のお嫁に成るもんか」
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
卑(いや)しい奴(や)ッちゃ、見下げ果てた奴ッちゃ、いう風に、お腹(なか)の中では常時激しいに軽蔑(けいべつ)してる。
卍 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
イヤな奴(や)っちゃ思われるか、気の毒や思いなさるか、何とか素振(そぶり)に見えそうなもんですのんに、さっぱりそういう風しなされへんもんですから、私の方も段々ずうずうしいになりまして
卍 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)