“奴婢”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ぬひ65.9%
どひ7.3%
ヌヒ7.3%
しもべ4.9%
おんな2.4%
しもべはした2.4%
ぬび2.4%
はしため2.4%
ひと2.4%
みずしめ2.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
流民の大部分は、もとより奴婢ぬひ土民が主であったが、その中には、諸葛氏一家のような士大夫や学者などの知識階級もたくさんいた。
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
けっして英国人の奴婢どひでない以上はこれくらいの見識は国民の一員としてそなえていなければならない上に、世界に共通な正直という徳義を重んずる点から見ても
私の個人主義 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
奴婢ヌヒは、其々もち場持ち場の掃除を勵む爲に、ようべの雨に洗つたやうになつた、境内の沙地に出て來た。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
正月は奴婢しもべどもゝすこしはゆるして遊をなさしむるゆゑ、羽子はごつかんとて、まづ其処を見たてゝ雪をふみかためて角力場すまうばのごとくになし、羽子は溲疏うつぎを一寸ほど筒切になし
家士五十三名、小者十八名、他に十二名の奴婢おんなはとっくに逃がしてあったので、図書ともに七十二名が立籠たてこもった訳である……図書は敵をこの屋敷へ引付け、機をみて一挙に決戦する考えであった。
三十二刻 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
(ここには見えぬ、なれども、殿たちの妻、子、親、縁者、奴婢しもべはした、指さっしゃれば、たちどころに奪って見しょう。)
吉原新話 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
奴婢ぬびの見る眼もいぶせきまでの振舞を為る折多しと聞く、既に御仏の道に入りたまひたれば我には今は子ならずと君は仰すべけれど、其君が子はいと美しう才もかしこく生れつきて
二日物語 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
その父世をりバーコの都奴婢はしためとなるにおよびてかれはひさしく世にさすらへり 五八—六〇
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
いまだにむすめこゝろせで、金齒きんばれたる口元くちもとい、い、子細しさいらしく數多あまた奴婢ひとをも使つかへども、旦那だんなさますゝめて十けんだな人形にんぎやうひにくなど、一つまのやうには
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
千束町の喜熨斗きのし氏の舞台へ、私と、浜子と鼓村さんと翠扇さんとが集った時、猿之助役の大臣おとどの夢の賤夫しずのおと、翠扇役の夢に王妃となる奴婢みずしめとが、水辺みずのほとりに出逢うところの打合せをした。
朱絃舎浜子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)