“どひ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ドヒ
語句割合
土匪57.1%
土肥19.0%
奴婢14.3%
土樋4.8%
4.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
トランクも次手にもたせかけて置こう。さあ、これで土匪どひに遇っても、——待てよ。土匪に遇った時にはティップをやらなくっても好いものかしら?
雑信一束 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
先供さきどもには北條、梶原、三浦、畠山、あとおさへには土肥どひ安達あだち……なほ數々の大小名が平家の殘黨に備ふる用心もござらう、諸國に威勢を示すためでもござらう、いづれも甲冑よろひかぶと爽かに扮裝いでたつて
佐々木高綱 (旧字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
しかもこの無頼ぶらいの夫にして、つとに温良貞淑の称ある夫人明子を遇するや、奴婢どひと一般なりと云ふに至つては、誰か善く彼を目して、人間の疫癘えきれいさざるを得んや。
開化の殺人 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
梨畑なしばたけやぶどう畑の見られる仙台郊外を土樋どひというほうまで歩き回ったり、あるいは阿武隈川あぶくまがわの流れるところまで行ってみたりしたような、そんな静かな心は持てなかったのです。
力餅 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
右手の三軒長屋はひさしが傾いて、雨どひもフラフラになつて居りますから、野良猫が飛び付いても無事では納まりさうもありません。