“梨畑”の読み方と例文
読み方割合
なしばたけ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
水っぽい月が、邸のまわりのかしこずえにあった、後ろの山も、前の山も白い霧につつまれ、梨畑なしばたけの花から甘い香がただよってくる。
宮本武蔵:02 地の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ところがこの櫓は馬賊の来襲に備えるために、梨畑なしばたけの主人が、わざわざ家の四隅よすみに打ち建てたのだと聞いて、半分は驚いたが、半分はおかしかった。
満韓ところどころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
梨畑なしばたけやぶどう畑の見られる仙台郊外を土樋どひというほうまで歩き回ったり、あるいは阿武隈川あぶくまがわの流れるところまで行ってみたりしたような、そんな静かな心は持てなかったのです。
力餅 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)