“梨壺”の読み方と例文
読み方割合
なしつぼ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
村上天皇の御代に宮中の梨壺なしつぼに学者が集まって、『万葉集』の訓をつけ始めたのが古点、道長頃から平安末期へかけて諸学者が訓をつけたのが次点
中世の文学伝統 (新字新仮名) / 風巻景次郎(著)
何のかのと理由づけては、白昼、得物えものを持った鎧武者が、内裏だいりにまで立ち入って来た。校書殿きょうしょでんの大庭やら梨壺なしつぼのあたりにすら、うさんな者が、まま見かけられたりするのだった。
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
源氏の現在の宿直所とのいどころもやはり昔の桐壺きりつぼであって、梨壺なしつぼに東宮は住んでおいでになるのであったから、御近所であるために源氏はその御殿とお親しくして、自然東宮の御後見もするようになった。
源氏物語:14 澪標 (新字新仮名) / 紫式部(著)