紫式部
“紫式部”に特徴的な語句
浮舟
挿頭
逢
薫
玉鬘
詣
亡
思召
訪
尚侍
宮
女王
艶
冷泉
惹
歎
兵部卿
良人
馴
御簾
阿闍梨
袖
煩悶
帝
祈祷
噂
身体
派手
几帳
可憐
御息所
亡
惟光
命婦
小君
王命婦
幾人
侘
紫檀
大和守
横川
網代
邸
上手
乳母
挨拶
屏風
文
歎息
明石
著者としての作品一覧
源氏物語:01 桐壺(新字新仮名)
読書目安時間:約32分
紫のかがやく花と日の光思ひあはざる ことわりもなし(晶子) どの天皇様の御代であったか、女御とか更衣とかいわれる後宮がおおぜいいた中に、最上の貴族出身ではないが深い御愛寵を得ている …
読書目安時間:約32分
紫のかがやく花と日の光思ひあはざる ことわりもなし(晶子) どの天皇様の御代であったか、女御とか更衣とかいわれる後宮がおおぜいいた中に、最上の貴族出身ではないが深い御愛寵を得ている …
源氏物語:02 帚木(新字新仮名)
読書目安時間:約54分
中川の皐月の水に人似たりかたればむ せびよればわななく(晶子) 光源氏、すばらしい名で、青春を盛り上げてできたような人が思われる。自然奔放な好色生活が想像される。しかし実際はそれよ …
読書目安時間:約54分
中川の皐月の水に人似たりかたればむ せびよればわななく(晶子) 光源氏、すばらしい名で、青春を盛り上げてできたような人が思われる。自然奔放な好色生活が想像される。しかし実際はそれよ …
源氏物語:03 空蝉(新字新仮名)
読書目安時間:約13分
うつせみのわがうすごろも風流男に馴 れてぬるやとあぢきなきころ(晶子) 眠れない源氏は、 「私はこんなにまで人から冷淡にされたことはこれまでないのだから、今晩はじめて人生は悲しいも …
読書目安時間:約13分
うつせみのわがうすごろも風流男に馴 れてぬるやとあぢきなきころ(晶子) 眠れない源氏は、 「私はこんなにまで人から冷淡にされたことはこれまでないのだから、今晩はじめて人生は悲しいも …
源氏物語:04 夕顔(新字新仮名)
読書目安時間:約59分
うき夜半の悪夢と共になつかしきゆめ もあとなく消えにけるかな(晶子) 源氏が六条に恋人を持っていたころ、御所からそこへ通う途中で、だいぶ重い病気をし尼になった大弐の乳母を訪ねようと …
読書目安時間:約59分
うき夜半の悪夢と共になつかしきゆめ もあとなく消えにけるかな(晶子) 源氏が六条に恋人を持っていたころ、御所からそこへ通う途中で、だいぶ重い病気をし尼になった大弐の乳母を訪ねようと …
源氏物語:05 若紫(新字新仮名)
読書目安時間:約1時間1分
春の野のうらわか草に親しみていとお ほどかに恋もなりぬる(晶子) 源氏は瘧病にかかっていた。いろいろとまじないもし、僧の加持も受けていたが効験がなくて、この病の特徴で発作的にたびた …
読書目安時間:約1時間1分
春の野のうらわか草に親しみていとお ほどかに恋もなりぬる(晶子) 源氏は瘧病にかかっていた。いろいろとまじないもし、僧の加持も受けていたが効験がなくて、この病の特徴で発作的にたびた …
源氏物語:06 末摘花(新字新仮名)
読書目安時間:約39分
皮ごろも上に着たれば我妹子は聞くこ とのみな身に沁まぬらし(晶子) 源氏の君の夕顔を失った悲しみは、月がたち年が変わっても忘れることができなかった。左大臣家にいる夫人も、六条の貴女 …
読書目安時間:約39分
皮ごろも上に着たれば我妹子は聞くこ とのみな身に沁まぬらし(晶子) 源氏の君の夕顔を失った悲しみは、月がたち年が変わっても忘れることができなかった。左大臣家にいる夫人も、六条の貴女 …
源氏物語:07 紅葉賀(新字新仮名)
読書目安時間:約33分
青海の波しづかなるさまを舞ふ若き心 は下に鳴れども(晶子) 朱雀院の行幸は十月の十幾日ということになっていた。その日の歌舞の演奏はことに選りすぐって行なわれるという評判であったから …
読書目安時間:約33分
青海の波しづかなるさまを舞ふ若き心 は下に鳴れども(晶子) 朱雀院の行幸は十月の十幾日ということになっていた。その日の歌舞の演奏はことに選りすぐって行なわれるという評判であったから …
源氏物語:08 花宴(新字新仮名)
読書目安時間:約13分
春の夜のもやにそひたる月ならん手枕 かしぬ我が仮ぶしに(晶子) 二月の二十幾日に紫宸殿の桜の宴があった。玉座の左右に中宮と皇太子の御見物の室が設けられた。弘徽殿の女御は藤壺の宮が中 …
読書目安時間:約13分
春の夜のもやにそひたる月ならん手枕 かしぬ我が仮ぶしに(晶子) 二月の二十幾日に紫宸殿の桜の宴があった。玉座の左右に中宮と皇太子の御見物の室が設けられた。弘徽殿の女御は藤壺の宮が中 …
源氏物語:09 葵(新字新仮名)
読書目安時間:約57分
恨めしと人を目におくこともこそ身の おとろへにほかならぬかな(晶子) 天子が新しくお立ちになり、時代の空気が変わってから、源氏は何にも興味が持てなくなっていた。官位の昇進した窮屈さ …
読書目安時間:約57分
恨めしと人を目におくこともこそ身の おとろへにほかならぬかな(晶子) 天子が新しくお立ちになり、時代の空気が変わってから、源氏は何にも興味が持てなくなっていた。官位の昇進した窮屈さ …
源氏物語:10 榊(新字新仮名)
読書目安時間:約59分
五十鈴川神のさかひへのがれきぬおも ひあがりしひとの身のはて(晶子) 斎宮の伊勢へ下向される日が近づけば近づくほど御息所は心細くなるのであった。左大臣家の源氏の夫人がなくなったあと …
読書目安時間:約59分
五十鈴川神のさかひへのがれきぬおも ひあがりしひとの身のはて(晶子) 斎宮の伊勢へ下向される日が近づけば近づくほど御息所は心細くなるのであった。左大臣家の源氏の夫人がなくなったあと …
源氏物語:11 花散里(新字新仮名)
読書目安時間:約5分
橘も恋のうれひも散りかへば香をなつ かしみほととぎす鳴く(晶子) みずから求めてしている恋愛の苦は昔もこのごろも変わらない源氏であるが、ほかから受ける忍びがたい圧迫が近ごろになって …
読書目安時間:約5分
橘も恋のうれひも散りかへば香をなつ かしみほととぎす鳴く(晶子) みずから求めてしている恋愛の苦は昔もこのごろも変わらない源氏であるが、ほかから受ける忍びがたい圧迫が近ごろになって …
源氏物語:12 須磨(新字新仮名)
読書目安時間:約51分
人恋ふる涙をわすれ大海へ引かれ行く べき身かと思ひぬ(晶子) 当帝の外戚の大臣一派が極端な圧迫をして源氏に不愉快な目を見せることが多くなって行く。つとめて冷静にはしていても、このま …
読書目安時間:約51分
人恋ふる涙をわすれ大海へ引かれ行く べき身かと思ひぬ(晶子) 当帝の外戚の大臣一派が極端な圧迫をして源氏に不愉快な目を見せることが多くなって行く。つとめて冷静にはしていても、このま …
源氏物語:13 明石(新字新仮名)
読書目安時間:約48分
わりなくもわかれがたしとしら玉の涙 をながす琴のいとかな(晶子) まだ雨風はやまないし、雷鳴が始終することも同じで幾日かたった。今は極度に侘しい須磨の人たちであった。今日までのこと …
読書目安時間:約48分
わりなくもわかれがたしとしら玉の涙 をながす琴のいとかな(晶子) まだ雨風はやまないし、雷鳴が始終することも同じで幾日かたった。今は極度に侘しい須磨の人たちであった。今日までのこと …
源氏物語:14 澪標(新字新仮名)
読書目安時間:約39分
みをつくし逢はんと祈るみてぐらもわ れのみ神にたてまつるらん(晶子) 須磨の夜の源氏の夢にまざまざとお姿をお現わしになって以来、父帝のことで痛心していた源氏は、帰京ができた今日にな …
読書目安時間:約39分
みをつくし逢はんと祈るみてぐらもわ れのみ神にたてまつるらん(晶子) 須磨の夜の源氏の夢にまざまざとお姿をお現わしになって以来、父帝のことで痛心していた源氏は、帰京ができた今日にな …
源氏物語:15 蓬生(新字新仮名)
読書目安時間:約26分
道もなき蓬をわけて君ぞこし誰にもま さる身のここちする(晶子) 源氏が須磨、明石に漂泊っていたころは、京のほうにも悲しく思い暮らす人の多数にあった中でも、しかとした立場を持っている …
読書目安時間:約26分
道もなき蓬をわけて君ぞこし誰にもま さる身のここちする(晶子) 源氏が須磨、明石に漂泊っていたころは、京のほうにも悲しく思い暮らす人の多数にあった中でも、しかとした立場を持っている …
源氏物語:16 関屋(新字新仮名)
読書目安時間:約6分
逢坂は関の清水も恋人のあつき涙もな がるるところ(晶子) 以前の伊予介は院がお崩れになった翌年常陸介になって任地へ下ったので、昔の帚木もつれて行った。源氏が須磨へ引きこもった噂も、 …
読書目安時間:約6分
逢坂は関の清水も恋人のあつき涙もな がるるところ(晶子) 以前の伊予介は院がお崩れになった翌年常陸介になって任地へ下ったので、昔の帚木もつれて行った。源氏が須磨へ引きこもった噂も、 …
源氏物語:17 絵合(新字新仮名)
読書目安時間:約20分
あひがたきいつきのみことおもひてき さらに遥かになりゆくものを(晶子) 前斎宮の入内を女院は熱心に促しておいでになった。こまごまとした入用の品々もあろうがすべてを引き受けてする人物 …
読書目安時間:約20分
あひがたきいつきのみことおもひてき さらに遥かになりゆくものを(晶子) 前斎宮の入内を女院は熱心に促しておいでになった。こまごまとした入用の品々もあろうがすべてを引き受けてする人物 …
源氏物語:18 松風(新字新仮名)
読書目安時間:約25分
あぢきなき松の風かな泣けばなき小琴 をとればおなじ音を弾く(晶子) 東の院が美々しく落成したので、花散里といわれていた夫人を源氏は移らせた。西の対から渡殿へかけてをその居所に取って …
読書目安時間:約25分
あぢきなき松の風かな泣けばなき小琴 をとればおなじ音を弾く(晶子) 東の院が美々しく落成したので、花散里といわれていた夫人を源氏は移らせた。西の対から渡殿へかけてをその居所に取って …
源氏物語:19 薄雲(新字新仮名)
読書目安時間:約37分
さくら散る春の夕のうすぐもの涙とな りて落つる心地に(晶子) 冬になって来て川沿いの家にいる人は心細い思いをすることが多く、気の落ち着くこともない日の続くのを、源氏も見かねて、 「 …
読書目安時間:約37分
さくら散る春の夕のうすぐもの涙とな りて落つる心地に(晶子) 冬になって来て川沿いの家にいる人は心細い思いをすることが多く、気の落ち着くこともない日の続くのを、源氏も見かねて、 「 …
源氏物語:20 朝顔(新字新仮名)
読書目安時間:約25分
みづからはあるかなきかのあさがほと 言ひなす人の忘られぬかな(晶子) 斎院は父宮の喪のために職をお辞しになった。源氏は例のように古い恋も忘れることのできぬ癖で、始終手紙を送っている …
読書目安時間:約25分
みづからはあるかなきかのあさがほと 言ひなす人の忘られぬかな(晶子) 斎院は父宮の喪のために職をお辞しになった。源氏は例のように古い恋も忘れることのできぬ癖で、始終手紙を送っている …
源氏物語:21 乙女(新字新仮名)
読書目安時間:約59分
雁なくやつらをはなれてただ一つ初恋 をする少年のごと(晶子) 春になって女院の御一周年が過ぎ、官人が喪服を脱いだのに続いて四月の更衣期になったから、はなやかな空気の満ち渡った初夏で …
読書目安時間:約59分
雁なくやつらをはなれてただ一つ初恋 をする少年のごと(晶子) 春になって女院の御一周年が過ぎ、官人が喪服を脱いだのに続いて四月の更衣期になったから、はなやかな空気の満ち渡った初夏で …
源氏物語:22 玉鬘(新字新仮名)
読書目安時間:約50分
火のくににおひいでたれば言ふことの 皆恥づかしく頬の染まるかな(晶子) 年月はどんなにたっても、源氏は死んだ夕顔のことを少しも忘れずにいた。個性の違った恋人を幾人も得た人生の行路に …
読書目安時間:約50分
火のくににおひいでたれば言ふことの 皆恥づかしく頬の染まるかな(晶子) 年月はどんなにたっても、源氏は死んだ夕顔のことを少しも忘れずにいた。個性の違った恋人を幾人も得た人生の行路に …
源氏物語:23 初音(新字新仮名)
読書目安時間:約16分
若やかにうぐひすぞ啼く初春の衣くば られし一人のやうに(晶子) 新春第一日の空の完全にうららかな光のもとには、どんな家の庭にも雪間の草が緑のけはいを示すし、春らしい霞の中では、芽を …
読書目安時間:約16分
若やかにうぐひすぞ啼く初春の衣くば られし一人のやうに(晶子) 新春第一日の空の完全にうららかな光のもとには、どんな家の庭にも雪間の草が緑のけはいを示すし、春らしい霞の中では、芽を …
源氏物語:24 胡蝶(新字新仮名)
読書目安時間:約24分
盛りなる御代の后に金の蝶しろがねの 鳥花たてまつる(晶子) 三月の二十日過ぎ、六条院の春の御殿の庭は平生にもまして多くの花が咲き、多くさえずる小鳥が来て、春はここにばかり好意を見せ …
読書目安時間:約24分
盛りなる御代の后に金の蝶しろがねの 鳥花たてまつる(晶子) 三月の二十日過ぎ、六条院の春の御殿の庭は平生にもまして多くの花が咲き、多くさえずる小鳥が来て、春はここにばかり好意を見せ …
源氏物語:25 蛍(新字新仮名)
読書目安時間:約21分
身にしみて物を思へと夏の夜の蛍ほの かに青引きてとぶ(晶子) 源氏の現在の地位はきわめて重いがもう廷臣としての繁忙もここまでは押し寄せて来ず、のどかな余裕のある生活ができるのであっ …
読書目安時間:約21分
身にしみて物を思へと夏の夜の蛍ほの かに青引きてとぶ(晶子) 源氏の現在の地位はきわめて重いがもう廷臣としての繁忙もここまでは押し寄せて来ず、のどかな余裕のある生活ができるのであっ …
源氏物語:26 常夏(新字新仮名)
読書目安時間:約25分
露置きてくれなゐいとど深けれどおも ひ悩めるなでしこの花(晶子) 炎暑の日に源氏は東の釣殿へ出て涼んでいた。子息の中将が侍しているほかに、親しい殿上役人も数人席にいた。桂川の鮎、加 …
読書目安時間:約25分
露置きてくれなゐいとど深けれどおも ひ悩めるなでしこの花(晶子) 炎暑の日に源氏は東の釣殿へ出て涼んでいた。子息の中将が侍しているほかに、親しい殿上役人も数人席にいた。桂川の鮎、加 …
源氏物語:27 篝火(新字新仮名)
読書目安時間:約4分
大きなるまゆみのもとに美しくかがり 火もえて涼風ぞ吹く(晶子) このごろ、世間では内大臣の新令嬢という言葉を何かのことにつけては言うのを源氏の大臣は聞いて、 「ともかくも深窓に置か …
読書目安時間:約4分
大きなるまゆみのもとに美しくかがり 火もえて涼風ぞ吹く(晶子) このごろ、世間では内大臣の新令嬢という言葉を何かのことにつけては言うのを源氏の大臣は聞いて、 「ともかくも深窓に置か …
源氏物語:28 野分(新字新仮名)
読書目安時間:約21分
けざやかにめでたき人ぞ在ましたる野 分が開くる絵巻のおくに(晶子) 中宮のお住居の庭へ植えられた秋草は、今年はことさら種類が多くて、その中へ風流な黒木、赤木のませ垣が所々に結われ、 …
読書目安時間:約21分
けざやかにめでたき人ぞ在ましたる野 分が開くる絵巻のおくに(晶子) 中宮のお住居の庭へ植えられた秋草は、今年はことさら種類が多くて、その中へ風流な黒木、赤木のませ垣が所々に結われ、 …
源氏物語:29 行幸(新字新仮名)
読書目安時間:約30分
雪ちるや日よりかしこくめでたさも上 なき君の玉のおん輿(晶子) 源氏は玉鬘に対してあらゆる好意を尽くしているのであるが、人知れぬ恋を持つ点で、南の女王の想像したとおりの不幸な結末を …
読書目安時間:約30分
雪ちるや日よりかしこくめでたさも上 なき君の玉のおん輿(晶子) 源氏は玉鬘に対してあらゆる好意を尽くしているのであるが、人知れぬ恋を持つ点で、南の女王の想像したとおりの不幸な結末を …
源氏物語:30 藤袴(新字新仮名)
読書目安時間:約17分
むらさきのふぢばかまをば見よといふ 二人泣きたきここち覚えて(晶子) 尚侍になって御所へお勤めするようにと、源氏はもとより実父の内大臣のほうからも勧めてくることで玉鬘は煩悶をしてい …
読書目安時間:約17分
むらさきのふぢばかまをば見よといふ 二人泣きたきここち覚えて(晶子) 尚侍になって御所へお勤めするようにと、源氏はもとより実父の内大臣のほうからも勧めてくることで玉鬘は煩悶をしてい …
源氏物語:31 真木柱(新字新仮名)
読書目安時間:約45分
こひしさも悲しきことも知らぬなり真 木の柱にならまほしけれ(晶子) 「帝のお耳にはいって、御不快に思召すようなことがあってもおそれおおい。当分世間へ知らせないようにしたい」 と源氏 …
読書目安時間:約45分
こひしさも悲しきことも知らぬなり真 木の柱にならまほしけれ(晶子) 「帝のお耳にはいって、御不快に思召すようなことがあってもおそれおおい。当分世間へ知らせないようにしたい」 と源氏 …
源氏物語:32 梅が枝(新字新仮名)
読書目安時間:約22分
天地に春新しく来たりけり光源氏の みむすめのため(晶子) 源氏が十一歳の姫君の裳着の式をあげるために設けていたことは並み並みの仕度でなかった。東宮も同じ二月に御元服があることになっ …
読書目安時間:約22分
天地に春新しく来たりけり光源氏の みむすめのため(晶子) 源氏が十一歳の姫君の裳着の式をあげるために設けていたことは並み並みの仕度でなかった。東宮も同じ二月に御元服があることになっ …
源氏物語:33 藤のうら葉(新字新仮名)
読書目安時間:約29分
ふぢばなのもとの根ざしは知らねども 枝をかはせる白と紫(晶子) 六条院の姫君が太子の宮へはいる仕度でだれも繁忙をきわめている時にも、兄の宰相中将は物思いにとらわれていて、ぼんやりと …
読書目安時間:約29分
ふぢばなのもとの根ざしは知らねども 枝をかはせる白と紫(晶子) 六条院の姫君が太子の宮へはいる仕度でだれも繁忙をきわめている時にも、兄の宰相中将は物思いにとらわれていて、ぼんやりと …
源氏物語:34 若菜(上)(新字新仮名)
読書目安時間:約1時間59分
たちまちに知らぬ花さくおぼつかな天 よりこしをうたがはねども(晶子) あの六条院の行幸のあった直後から朱雀院の帝は御病気になっておいでになった。平生から御病身な方ではあったが、今度 …
読書目安時間:約1時間59分
たちまちに知らぬ花さくおぼつかな天 よりこしをうたがはねども(晶子) あの六条院の行幸のあった直後から朱雀院の帝は御病気になっておいでになった。平生から御病身な方ではあったが、今度 …
源氏物語:35 若菜(下)(新字新仮名)
読書目安時間:約1時間56分
二ごころたれ先づもちてさびしくも悲 しき世をば作り初めけん(晶子) 小侍従が書いて来たことは道理に違いないがまた露骨なひどい言葉だとも衛門督には思われた。しかももう浅薄な女房などの …
読書目安時間:約1時間56分
二ごころたれ先づもちてさびしくも悲 しき世をば作り初めけん(晶子) 小侍従が書いて来たことは道理に違いないがまた露骨なひどい言葉だとも衛門督には思われた。しかももう浅薄な女房などの …
源氏物語:36 柏木(新字新仮名)
読書目安時間:約49分
死ぬる日を罪むくいなど言ふきはの涙 に似ざる火のしづくおつ(晶子) 右衛門督の病気は快方に向くことなしに春が来た。父の大臣と母夫人の悲しむのを見ては、死を願うことは重罪にあたること …
読書目安時間:約49分
死ぬる日を罪むくいなど言ふきはの涙 に似ざる火のしづくおつ(晶子) 右衛門督の病気は快方に向くことなしに春が来た。父の大臣と母夫人の悲しむのを見ては、死を願うことは重罪にあたること …
源氏物語:37 横笛(新字新仮名)
読書目安時間:約23分
亡き人の手なれの笛に寄りもこし夢の ゆくへの寒き夜半かな(晶子) 権大納言の死を惜しむ者が多く、月日がたっても依然として恋しく思う人ばかりであった。六条院のお心もまたそうであった。 …
読書目安時間:約23分
亡き人の手なれの笛に寄りもこし夢の ゆくへの寒き夜半かな(晶子) 権大納言の死を惜しむ者が多く、月日がたっても依然として恋しく思う人ばかりであった。六条院のお心もまたそうであった。 …
源氏物語:38 鈴虫(新字新仮名)
読書目安時間:約16分
すずむしは釈迦牟尼仏のおん弟子の君 のためにと秋を浄むる(晶子) 夏の蓮の花の盛りに、でき上がった入道の姫宮の御持仏の供養が催されることになった。御念誦堂のいっさいの装飾と備え付け …
読書目安時間:約16分
すずむしは釈迦牟尼仏のおん弟子の君 のためにと秋を浄むる(晶子) 夏の蓮の花の盛りに、でき上がった入道の姫宮の御持仏の供養が催されることになった。御念誦堂のいっさいの装飾と備え付け …
源氏物語:39 夕霧一(新字新仮名)
読書目安時間:約51分
つま戸より清き男の出づるころ後夜の 律師のまう上るころ(晶子) 一人の夫人の忠実な良人という評判があって、品行方正を標榜していた源左大将であったが、今は女二の宮に心を惹かれる人にな …
読書目安時間:約51分
つま戸より清き男の出づるころ後夜の 律師のまう上るころ(晶子) 一人の夫人の忠実な良人という評判があって、品行方正を標榜していた源左大将であったが、今は女二の宮に心を惹かれる人にな …
源氏物語:40 夕霧二(新字新仮名)
読書目安時間:約41分
帰りこし都の家に音無しの滝はおちね ど涙流るる(晶子) 恋しさのおさえられない大将はまたも小野の山荘に宮をお訪ねしようとした。四十九日の忌も過ごしてから静かに事の運ぶようにするのが …
読書目安時間:約41分
帰りこし都の家に音無しの滝はおちね ど涙流るる(晶子) 恋しさのおさえられない大将はまたも小野の山荘に宮をお訪ねしようとした。四十九日の忌も過ごしてから静かに事の運ぶようにするのが …
源氏物語:41 御法(新字新仮名)
読書目安時間:約22分
なほ春のましろき花と見ゆれどもとも に死ぬまで悲しかりけり(晶子) 紫夫人はあの大病以後病身になって、どこということもなく始終煩っていた。たいした悪い容体になるのではなかったが、す …
読書目安時間:約22分
なほ春のましろき花と見ゆれどもとも に死ぬまで悲しかりけり(晶子) 紫夫人はあの大病以後病身になって、どこということもなく始終煩っていた。たいした悪い容体になるのではなかったが、す …
源氏物語:42 まぼろし(新字新仮名)
読書目安時間:約25分
大空の日の光さへつくる世のやうやく 近きここちこそすれ(晶子) 春の光を御覧になっても、六条院の暗いお気持ちが改まるものでもないのに、表へは新年の賀を申し入れる人たちが続いて参入す …
読書目安時間:約25分
大空の日の光さへつくる世のやうやく 近きここちこそすれ(晶子) 春の光を御覧になっても、六条院の暗いお気持ちが改まるものでもないのに、表へは新年の賀を申し入れる人たちが続いて参入す …
源氏物語:44 匂宮(新字新仮名)
読書目安時間:約15分
春の日の光の名残花ぞのに匂ひ薫ると 思ほゆるかな(晶子) 光君がおかくれになったあとに、そのすぐれた美貌を継ぐと見える人は多くの遺族の中にも求めることが困難であった。院の陛下はおそ …
読書目安時間:約15分
春の日の光の名残花ぞのに匂ひ薫ると 思ほゆるかな(晶子) 光君がおかくれになったあとに、そのすぐれた美貌を継ぐと見える人は多くの遺族の中にも求めることが困難であった。院の陛下はおそ …
源氏物語:45 紅梅(新字新仮名)
読書目安時間:約16分
うぐひすも問はば問へかし紅梅の花の あるじはのどやかに待つ(晶子) 今按察使大納言といわれている人は、故人になった太政大臣の次男であった。亡き柏木の衛門督のすぐの弟である。子供のこ …
読書目安時間:約16分
うぐひすも問はば問へかし紅梅の花の あるじはのどやかに待つ(晶子) 今按察使大納言といわれている人は、故人になった太政大臣の次男であった。亡き柏木の衛門督のすぐの弟である。子供のこ …
源氏物語:46 竹河(新字新仮名)
読書目安時間:約50分
姫たちは常少女にて春ごとに花あらそひ をくり返せかし(晶子) ここに書くのは源氏の君一族とも離れた、最近に亡くなった関白太政大臣の家の話である。つまらぬ女房の生き残ったのが語って聞 …
読書目安時間:約50分
姫たちは常少女にて春ごとに花あらそひ をくり返せかし(晶子) ここに書くのは源氏の君一族とも離れた、最近に亡くなった関白太政大臣の家の話である。つまらぬ女房の生き残ったのが語って聞 …
源氏物語:47 橋姫(新字新仮名)
読書目安時間:約45分
しめやかにこころの濡れぬ川霧の立ち まふ家はあはれなるかな(晶子) そのころ世間から存在を無視されておいでになる古い親王がおいでになった。母方なども高い貴族で、帝の御継嗣におなりに …
読書目安時間:約45分
しめやかにこころの濡れぬ川霧の立ち まふ家はあはれなるかな(晶子) そのころ世間から存在を無視されておいでになる古い親王がおいでになった。母方なども高い貴族で、帝の御継嗣におなりに …
源氏物語:48 椎が本(新字新仮名)
読書目安時間:約47分
朝の月涙のごとくましろけれ御寺の鐘 の水渡る時(晶子) 二月の二十日過ぎに兵部卿の宮は大和の初瀬寺へ参詣をあそばされることになった。古い御宿願には相違ないが、中に宇治という土地があ …
読書目安時間:約47分
朝の月涙のごとくましろけれ御寺の鐘 の水渡る時(晶子) 二月の二十日過ぎに兵部卿の宮は大和の初瀬寺へ参詣をあそばされることになった。古い御宿願には相違ないが、中に宇治という土地があ …
源氏物語:49 総角(新字新仮名)
読書目安時間:約1時間56分
心をば火の思ひもて焼かましと願ひき 身をば煙にぞする(晶子) 長い年月馴れた河風の音も、今年の秋は耳騒がしく、悲しみを加重するものとばかり宇治の姫君たちは聞きながら、父宮の御一周忌 …
読書目安時間:約1時間56分
心をば火の思ひもて焼かましと願ひき 身をば煙にぞする(晶子) 長い年月馴れた河風の音も、今年の秋は耳騒がしく、悲しみを加重するものとばかり宇治の姫君たちは聞きながら、父宮の御一周忌 …
源氏物語:50 早蕨(新字新仮名)
読書目安時間:約22分
早蕨の歌を法師す君に似ずよき言葉を ば知らぬめでたさ(晶子) 「日の光林藪しわかねばいそのかみ古りにし里も花は咲きけり」と言われる春であったから、山荘のほとりのにおいやかになった光 …
読書目安時間:約22分
早蕨の歌を法師す君に似ずよき言葉を ば知らぬめでたさ(晶子) 「日の光林藪しわかねばいそのかみ古りにし里も花は咲きけり」と言われる春であったから、山荘のほとりのにおいやかになった光 …
源氏物語:51 宿り木(新字新仮名)
読書目安時間:約1時間53分
あふけなく大御むすめをいにしへの人 に似よとも思ひけるかな(晶子) そのころ後宮で藤壺と言われていたのは亡き左大臣の女の女御であった。帝がまだ東宮でいらせられた時に、最も初めに上が …
読書目安時間:約1時間53分
あふけなく大御むすめをいにしへの人 に似よとも思ひけるかな(晶子) そのころ後宮で藤壺と言われていたのは亡き左大臣の女の女御であった。帝がまだ東宮でいらせられた時に、最も初めに上が …
源氏物語:52 東屋(新字新仮名)
読書目安時間:約1時間22分
ありし世の霧来て袖を濡らしけりわり なけれども宇治近づけば(晶子) 源右大将は常陸守の養女に興味は覚えながらも、しいて筑波の葉山繁山を分け入るのは軽々しいことと人の批議するのが思わ …
読書目安時間:約1時間22分
ありし世の霧来て袖を濡らしけりわり なけれども宇治近づけば(晶子) 源右大将は常陸守の養女に興味は覚えながらも、しいて筑波の葉山繁山を分け入るのは軽々しいことと人の批議するのが思わ …
源氏物語:53 浮舟(新字新仮名)
読書目安時間:約1時間33分
何よりも危ふきものとかねて見し小舟の 中にみづからを置く(晶子) 兵部卿の宮は美しい人をほのかに御覧になったあの秋の夕べのことをどうしてもお忘れになることができなかった。たいした貴 …
読書目安時間:約1時間33分
何よりも危ふきものとかねて見し小舟の 中にみづからを置く(晶子) 兵部卿の宮は美しい人をほのかに御覧になったあの秋の夕べのことをどうしてもお忘れになることができなかった。たいした貴 …
源氏物語:54 蜻蛉(新字新仮名)
読書目安時間:約1時間13分
ひと時は目に見しものをかげろふのあ るかなきかを知らぬはかなき(晶子) 宇治の山荘では浮舟の姫君の姿のなくなったことに驚き、いろいろと捜し求めるのに努めたが、何のかいもなかった。小 …
読書目安時間:約1時間13分
ひと時は目に見しものをかげろふのあ るかなきかを知らぬはかなき(晶子) 宇治の山荘では浮舟の姫君の姿のなくなったことに驚き、いろいろと捜し求めるのに努めたが、何のかいもなかった。小 …
源氏物語:55 手習(新字新仮名)
読書目安時間:約1時間25分
ほど近き法の御山をたのみたる女郎花 かと見ゆるなりけれ(晶子) そのころ比叡の横川に某僧都といって人格の高い僧があった。八十を越えた母と五十くらいの妹を持っていた。この親子の尼君が …
読書目安時間:約1時間25分
ほど近き法の御山をたのみたる女郎花 かと見ゆるなりけれ(晶子) そのころ比叡の横川に某僧都といって人格の高い僧があった。八十を越えた母と五十くらいの妹を持っていた。この親子の尼君が …
源氏物語:56 夢の浮橋(新字新仮名)
読書目安時間:約21分
明けくれに昔こひしきこころもて生く る世もはたゆめのうきはし(晶子) 薫は山の延暦寺に着いて、常のとおりに経巻と仏像の供養を営んだ。横川の寺へは翌日行ったのであるが、僧都は大将の親 …
読書目安時間:約21分
明けくれに昔こひしきこころもて生く る世もはたゆめのうきはし(晶子) 薫は山の延暦寺に着いて、常のとおりに経巻と仏像の供養を営んだ。横川の寺へは翌日行ったのであるが、僧都は大将の親 …
“紫式部”について
紫 式部(むらさき しきぶ)は、平安時代中期の歌人・作家・女房(女官)。
『源氏物語』の作者とされ、この作品は生涯で唯一の物語作品となった。歌人としては、『百人一首』の和歌が知られており、『紫式部日記』(18首)、『紫式部集』、『後拾遺和歌集』などにも和歌を残し、和歌795首が詠み込まれた。『中古三十六歌仙』、『女房三十六歌仙』の一人でもある。また、娘の大弐三位も『百人一首』、『女房三十六歌仙』の歌人として知られる。
文学
(出典:Wikipedia)
『源氏物語』の作者とされ、この作品は生涯で唯一の物語作品となった。歌人としては、『百人一首』の和歌が知られており、『紫式部日記』(18首)、『紫式部集』、『後拾遺和歌集』などにも和歌を残し、和歌795首が詠み込まれた。『中古三十六歌仙』、『女房三十六歌仙』の一人でもある。また、娘の大弐三位も『百人一首』、『女房三十六歌仙』の歌人として知られる。
文学
(出典:Wikipedia)
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