“良人”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
おっと59.9%
をつと8.7%
つま4.8%
うち4.1%
おつと3.9%
やど3.2%
うちのひと2.5%
たく2.3%
ひと2.1%
りょうじん1.6%
(他:31)6.9%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“良人”を含む作品のジャンル比率
芸術・美術 > 演劇 > 大衆演芸48.4%
文学 > 日本文学 > 小説 物語11.6%
文学 > 日本文学 > 評論 エッセイ 随筆1.5%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
お銀はその時、茶の間で、針仕事をしている母親と一緒に、何のこともなしに子供に乳を呑ませながら、良人おっとを待っていた。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
身体の装飾、煮物の加減、裁縫手芸、良人おっとの選択、これらは山出しの女中もまた思う事であり、またくする所である。
婦人と思想 (新字新仮名) / 与謝野晶子(著)
過去半年はんねん良人をつとおもふ為に痩せ細つた自分は、欧洲へ来て更に母として衰へるのであらうとさへ想はれる。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
そして其の考への閃光せんくわうの中に彼女の良人をつとの顔が、あの大きい鼻が、義眼のやうな眼があり/\と浮び現はれた。
煤煙の匂ひ (新字旧仮名) / 宮地嘉六(著)
昨日までも今日までも、良人つまに連添ふ我が身とて、平民主義を上もなき、真理と採りしこの身さへ、身を新平と聞き知りては。
移民学園 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
もう/\もうわたし良人つま御座ござんせぬ嫁入よめいりせぬむかしとおもへばれまで
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「まあ、そんな事があったのですか。なにかの心得になるかも知れませんから、良人うちにも一と通り話して置いて下さいよ。」
深見夫人の死 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「姉さん、これこれの都合ゆえ、どうか、こちらは人少なで広いから、良人うちの保養のために一室借して下さいな」
まとつては隨分ずいぶんつらいこともあらう、なれどもれほどの良人おつとのつとめ
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
いかに朝夕てうせきうそなかおくるからとてちつとはまことまじはづ良人おつとはあつたか
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
(女中たちが、そんな乱暴なことをして済みますか。良人やどなら知らぬこと、両親ふたおやにだって、指一本ささしはしない。)
清心庵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
有難ありがたぞんじます、良人やど平素ふだん牛肉うしなどは三人前にんまへべましたくらゐで……。
明治の地獄 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
——哥兄あにきや二階で木遣の稽古、音頭取るのがアリヤ良人うちのひとエンヤラナ……
桐の花 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
早く良人うちのひとがいよいよ御用いいつかったと笑い顔して帰って来られればよい、類の少い仕事だけに是非して見たい受け合って見たい、欲徳はどうでもかまわぬ
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
年齢とし良人たくと同じくらい、当時は三十五六であったかと思います、顔は丸顔で、いつも頭は丸刈りにしていられましたが」
墓地の殺人 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
「道理でこの頃、良人たく容子ようすが変だと思いました。夜もたびたび遅く帰るし、私には、不機嫌ですし……」と、さめざめと泣いた。
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
生憎あいにく、うちの良人ひとも、小荷駄衆のお侍から出頭しろといわれて、夕方、酒匂のお役所まで行きましたが、もう間もなく戻りましょう』
篝火の女 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
『はい、きょうもうちの良人ひとと、噂をしていた所でございますよ。さあ、ばたへお寄んなすって』
篝火の女 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
近くたとえを取り、今日の婦人女子をして、その良人りょうじん父兄の品行を学ぶことあらしめたらばこれを如何いかんせん。
日本男子論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
と妙子さんは何も当日から支配人の娘を鼻にかけたのでなく、単に良人りょうじんとして遇したのである。然るに清之介君は女房を支配人の令嬢として遇していたから、
女婿 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
清「それだって良人あなた、これに頼むより他に仕方がございません、それに右内は家出をする時、うちのお金を廿金持って逃げておいでだよ」
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
照「人違いで敵だと云って斬込むとは人違いにも程がある、何ぼ年がかぬと云って、斬ってしまったあとで人違いで済みますか、良人あなたはお怪我は有りませんか」
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「あの、お前さんたち、感違えをしちゃあ困りますよ。あたしゃこの先のおたなのもので、あれ、あそこへ良人うちのが迎えに出てるじゃありませんか」
つづれ烏羽玉 (新字新仮名) / 林不忘(著)
「やはり仁左衛門まつしまやにしとくなはれ、あの人やと良人うちのも知つてますよつてな……」
かめ「はいわたし良人つれあいが小川村に居りまして、それへまいりますが、誠に旅馴れませんから困ります」
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
ふみ「はい、私の良人つれあいは元は会津様の藩中でございまして、少しばかりお高を頂いて居りましたから、今では商人に成りましても武士の心は離れません、あゝ済まないと、堅い気性から切羽詰りに相成って」
松と藤芸妓の替紋 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
妻「おや良人あんたマアこんなに遅くなる訳はねえが、何処どけきやんした」
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「そないに急に気になるなら、良人あんた、ちゃと行って取ってい。」
歌行灯 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「奥様、あなたはご良人しゅじんといつ頃結婚なさいましたな?」
沙漠の古都 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「ああお前様の可愛いご良人しゅじんに?」
娘煙術師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
自分の良人ていしゅが頭を地につけてあやまっても、かないというて居るのを私はたびたび見ました。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
「だって、おめえ良人ていしゅなら、おいらにゃあかたきだぜ。」
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そして彼女は自分の良人のことを考えた。良人あのひとにはどうしてあんなことが云えるのだろう。なんぼなんでもあんまり酷い——。
初雪 (新字新仮名) / ギ・ド・モーパッサン(著)
「あたしは煖房が欲しいのだ。どうあっても据えつけさせてやる。あたしは厭ッてほど咳をしてやろう。そうすれば、良人あのひとだって思い切って煖房を据えつける気になるだろう」
初雪 (新字新仮名) / ギ・ド・モーパッサン(著)
して此のお方はお前の良人おつれあいかえ
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「あすこも近ごろは身上しんしょうを作ったそうで、良人おやじからお庄をくれてやろうかなんて言ってよこしましたけれど、私は返事もしましねえ。」母親が父親のことを怒っている風がお庄にもおかしく思われた。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
私ゃお祖父さんのことばかり考えて、別に何にも良人さきの事は思わないもんだから、ちょいと見たばかりで、ずんずん葛籠つづらなかへしまいこんで打棄うっちゃっといたわ。
化銀杏 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
歿なくなられた良人つれあひから懇々くれぐれも頼まれた秘蔵の秘蔵の一人子ひとりつこ、それを瞞しておのれが懲役に遣つたのだ。此方このほうを女とあなどつてさやうな不埒ふらちを致したか。長刀なぎなたの一手も心得てゐるぞよ。恐入つたか」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
女「はい、貴方に対しては誠に済みませんが、私の良人つれやいでございますよ」
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
不可いけねえや、おめえ良人ていしがあるんなら、おいら一所に死ぬのは厭だぜ。じゃあ、おい勝手にしねえ。」
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ふところはいつてふとるといふ八卦はつけでもあらうか? 少少せうせううがちぎてゐて、良人りやうじん久米正雄くめまさをならずとも
麻雀を語る (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
或時、義雄が見舞ひに行くと、お鳥は隣りの寢臺ねだいの、「わたしの良人りようじんは教育家です」と意張つてゐる、小學教員の細君に寫眞を出して見せてゐる。かの女等が寫生した物ばかりだ。
泡鳴五部作:05 憑き物 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
『大丈夫だ。暖かくなってゐる。』と云って、朝子をかへりみると病室を出た。朝子は、子供の顔を黙ってみてゐたが、そのまゝ良人をっとのあとからついて出た。
秋は淋しい (新字旧仮名) / 素木しづ(著)
「だって、考えてみれば、わたしたちが女学校でならった英語には、ファーザーとか良人ハズバンドとか云う言葉はたしかにあったけれど、その父や良人を自分からはなして、三人称?——ミスタ誰それ、っていう場合は、はっきり習わなかったみたいだわ」
道標 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
昔、あなたの家のお祖父さまが、あなたの良人マリに仰しやつたのです。
測量船 (新字旧仮名) / 三好達治(著)
あなたの良人マリに。
測量船 (新字旧仮名) / 三好達治(著)