トップ
>
良人
>
おつと
ふりがな文庫
“
良人
(
おつと
)” の例文
何
(
なに
)
も
下品
(
げひん
)
に
育
(
そだ
)
つたからとて
良人
(
おつと
)
の
持
(
も
)
てぬ
事
(
こと
)
はあるまい、
殊
(
こと
)
にお
前
(
まへ
)
のやうな
別品
(
べつぴん
)
さむではあり、一
足
(
そく
)
とびに
玉
(
たま
)
の
輿
(
こし
)
にも
乘
(
の
)
れさうなもの
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
保雄の妻と成つて
以来
(
このかた
)
良人
(
おつと
)
と一緒に貧しい生活に堪へて
里家
(
さと
)
から持つて来た丈の衣類は皆子供等の物に縫ひ換へ、帯と云ふ帯は皆売払つて米代に
為
(
し
)
て
執達吏
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
(著)
而して遂にわが
良人
(
おつと
)
なる人物が汗にまみれて疲労のどん底にありとはいへ、真剣なることアトラスのごとき重々しさで大きな行李をかつぎこんでくる様を認めた時に
老嫗面
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
けれど品行方正らしく見えた
良人
(
おつと
)
が、会社で一日働いて帰つて来ても、晩酌のときなぞに、そんな事にはまるで馴れない彼女に、何かしら飽足りなさを感じてゐることが
復讐
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
『オヤ、
亞尼
(
アンニー
)
がまた
詰
(
つま
)
らぬ
事
(
こと
)
を
考
(
かんが
)
へて
泣
(
な
)
いて
居
(
を
)
りますよ。』と、
春枝夫人
(
はるえふじん
)
は
良人
(
おつと
)
の
顏
(
かほ
)
を
眺
(
なが
)
めた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
▼ もっと見る
独り居てこそもの思へ、思へる事のありぞとは、
良人
(
つま
)
に知られじ、知らさじと、思ひかねては、墜ちも来る、涙を受けて、掌は白粉も溶く薄化粧。紅も
良人
(
おつと
)
へ勤めぞと、物憂さ隠す身嗜み。
移民学園
(新字旧仮名)
/
清水紫琴
(著)
あゝヘクトール、わが
良人
(
おつと
)
、われは薄命、君と我
イーリアス:03 イーリアス
(旧字旧仮名)
/
ホーマー
(著)
分けられぬ身なれば恩愛の重きに引かれて、車には乗りけれど、かかる時気楽の
良人
(
おつと
)
が心根にくく、今日あたり沖釣りでも無き物をと
大つごもり
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
良人
(
おつと
)
であり、細君であり、恋人であり、諸君も亦、男女の道を行はれること当然ではないか。
余はベンメイす
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
分
(
わ
)
けられぬ
身
(
み
)
なれば
恩愛
(
おんあい
)
の
重
(
おも
)
きに
引
(
ひ
)
かれて、
車
(
くるま
)
には
乘
(
の
)
りけれど、かゝる
時
(
とき
)
氣樂
(
きらく
)
の
良人
(
おつと
)
が
心根
(
こゝろね
)
にくゝ、
今日
(
けふ
)
あたり
沖釣
(
おきづ
)
りでも
無
(
な
)
き
物
(
もの
)
をと
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
普通の夫婦でもなんだから、まして無能者を
良人
(
おつと
)
にもつ女は当然浮気の権利があるんだつて、そんなことまでハッキリ言つたわ。とても真面目に、厳粛な顔付でハッキリ言ふのよ。
雨宮紅庵
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
さりとは思ひのほかなるもの、このあたりに大長者のうわさも聞かざりき、住む人の多くは
廓者
(
くるわもの
)
にて
良人
(
おつと
)
は
小格子
(
こがうし
)
の何とやら
たけくらべ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
信助夫人は
良人
(
おつと
)
の店へ飛んで行つた。彼は駅前に本屋を開いてゐたのである。
朴水の婚礼
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
さりとは
思
(
おも
)
ひのほかなるもの、
此
(
この
)
あたりに
大長者
(
だいちやうじや
)
のうわさも
聞
(
き
)
かざりき、
住
(
す
)
む
人
(
ひと
)
の
多
(
おほ
)
くは
廓者
(
くるはもの
)
にて
良人
(
おつと
)
は
小格子
(
こがうし
)
の
何
(
なに
)
とやら
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
いよいよ離縁するとでも言はれて来たのかと落ついて問ふに、
良人
(
おつと
)
は
一昨日
(
おととひ
)
より家へとては帰られませぬ、五日六日と家を明けるは
平常
(
つね
)
の事
十三夜
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
いよ/\
離縁
(
りゑん
)
するとでも
言
(
い
)
はれて
來
(
き
)
たのかと
落
(
おち
)
ついて
問
(
と
)
ふに、
良人
(
おつと
)
は
一昨日
(
おとゝひ
)
より
家
(
うち
)
へとては
歸
(
かへ
)
られませぬ、五
日
(
か
)
六
日
(
か
)
と
家
(
うち
)
を
明
(
あ
)
けるは
平常
(
つね
)
の
事
(
こと
)
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
夢さら二タ心は持たぬまでも、我が
良人
(
おつと
)
を不足に思ひて済むべきや。はかなし、はかなし、桜町の名を忘れぬ限り、我れは二タ心の不貞の
女子
(
おなご
)
なり
軒もる月
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
されば
奧方
(
おくがた
)
の
町子
(
まちこ
)
おのづから
寵愛
(
てうあい
)
の
手
(
て
)
の
平
(
ひら
)
に
乘
(
の
)
つて、
強
(
あなが
)
ち
良人
(
おつと
)
を
侮
(
あなど
)
るとなけれども、
舅
(
しうと
)
姑
(
しうとめ
)
おはしまして
萬
(
よろ
)
づ
窮屈
(
きうくつ
)
に
堅
(
かた
)
くるしき
嫁
(
よめ
)
御寮
(
ごりよう
)
の
身
(
み
)
と
異
(
こと
)
なり
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
的
(
まと
)
に
成
(
な
)
つては
隨分
(
ずいぶん
)
つらい
事
(
こと
)
もあらう、なれども
彼
(
あ
)
れほどの
良人
(
おつと
)
を
持
(
も
)
つ
身
(
み
)
のつとめ、
區役所
(
くやくしよ
)
がよひの
腰辨當
(
こしべんたう
)
が
釜
(
かま
)
の
下
(
した
)
を
焚
(
た
)
きつけて
呉
(
くれ
)
るのとは
格
(
かく
)
が
違
(
ちが
)
ふ
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
今宵限
(
こよひかぎ
)
り
關
(
せき
)
はなくなつて
魂
(
たましゐ
)
一つが
彼
(
あ
)
の
子
(
こ
)
の
身
(
み
)
を
守
(
まも
)
るのと
思
(
おも
)
ひますれば
良人
(
おつと
)
のつらく
當
(
あた
)
る
位
(
くらゐ
)
百
年
(
ねん
)
も
辛棒
(
しんぼう
)
出來
(
でき
)
さうな
事
(
こと
)
、よく
御言葉
(
おことば
)
も
合點
(
がてん
)
が
行
(
ゆ
)
きました
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
これは
何
(
ど
)
うもならぬ
其
(
その
)
やうに
茶利
(
ちやり
)
ばかり
言
(
い
)
はで
少
(
すこ
)
し
眞實
(
しん
)
の
處
(
ところ
)
を
聞
(
き
)
かしてくれ、いかに
朝夕
(
てうせき
)
を
嘘
(
うそ
)
の
中
(
なか
)
に
送
(
おく
)
るからとてちつとは
誠
(
まこと
)
も
交
(
まじ
)
る
筈
(
はづ
)
、
良人
(
おつと
)
はあつたか
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
これはどうもならぬそのやうに
茶利
(
ちやり
)
ばかり言はで少し
真実
(
しん
)
の処を聞かしてくれ、いかに
朝夕
(
てうせき
)
を嘘の中に送るからとてちつとは誠も交る
筈
(
はづ
)
、
良人
(
おつと
)
はあつたか
にごりえ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
何
(
ど
)
うでも
日
(
ひゞ
)
々を
義務
(
つとめ
)
ばかりに
送
(
おく
)
りて
身
(
み
)
は
此處
(
こゝ
)
に
心
(
こゝろ
)
は
何處
(
いづこ
)
の
空
(
そら
)
を
倘佯
(
さまよふ
)
らん、一〻
氣
(
き
)
にかゝる
事
(
こと
)
ども、
我
(
わ
)
が
女房
(
にようぼう
)
を
人
(
ひと
)
に
取
(
と
)
られて
知
(
し
)
らぬは
良人
(
おつと
)
の
鼻
(
はな
)
の
下
(
した
)
と
指
(
ゆび
)
さゝれんも
口惜
(
くちお
)
しく
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
もとは
檀家
(
だんか
)
の一人成しが早くに
良人
(
おつと
)
を失なひて寄る辺なき身の
暫時
(
しばらく
)
ここにお針やとひ同様、口さへ
濡
(
ぬ
)
らさせて下さらばとて洗ひ
濯
(
そそ
)
ぎよりはじめてお菜ごしらへは
素
(
もと
)
よりの事
たけくらべ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
もとは
檀家
(
だんか
)
の一
人
(
にん
)
成
(
なり
)
しが
早
(
はや
)
くに
良人
(
おつと
)
を
失
(
うし
)
なひて
寄
(
よ
)
る
邊
(
べ
)
なき
身
(
み
)
の
暫時
(
しばらく
)
こゝにお
針
(
はり
)
やとひ
同樣
(
どうやう
)
、
口
(
くち
)
さへ
濡
(
ぬ
)
らさせて
下
(
くだ
)
さらばとて
洗
(
あら
)
ひ
濯
(
そゝ
)
ぎよりはじめてお
菜
(
さい
)
ごしらへは
素
(
もと
)
よりの
事
(
こと
)
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
此樣
(
こん
)
な
者
(
もの
)
なれど
女房
(
にようぼう
)
に
持
(
も
)
たうといふて
下
(
くだ
)
さるも
無
(
な
)
いではなけれど
未
(
ま
)
だ
良人
(
おつと
)
をば
持
(
もち
)
ませぬ
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
歸
(
かへ
)
れば
襟
(
ゑり
)
に
腮
(
あご
)
を
埋
(
うづ
)
めてしのびやかに
吐息
(
といき
)
をつく、
良人
(
おつと
)
の
不審
(
ふしん
)
を
立
(
た
)
つれば、
何
(
ど
)
うも
心
(
こゝろ
)
惡
(
わる
)
う
御座
(
ござ
)
んすからとて
食
(
しよく
)
もようは
喰
(
た
)
べられず、
晝寢
(
ひるね
)
がちに
氣不精
(
きぶせう
)
に
成
(
な
)
りて、
次第
(
しだい
)
に
顏
(
かほ
)
の
色
(
いろ
)
の
青
(
あほ
)
きを
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
恐ろしや、この大恩の
良人
(
おつと
)
に
然
(
さ
)
る心を持ちて、仮にもその色の
顕
(
あら
)
はれもせば。
軒もる月
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
まだ
縁
(
ゑん
)
づかぬ
妹
(
いもと
)
どもが
不憫
(
ふびん
)
、
姉
(
あね
)
が
良人
(
おつと
)
の
顏
(
かほ
)
にもかゝる、
此山村
(
このやまむら
)
は
代〻
(
だい/\
)
堅氣
(
かたぎ
)
一
方
(
ぱう
)
に
正直
(
しようじき
)
律義
(
りちぎ
)
を
眞向
(
まつかう
)
にして、
惡
(
わ
)
い
風説
(
うわさ
)
を
立
(
た
)
てられた
事
(
こと
)
も
無
(
な
)
き
筈
(
はづ
)
を、
天魔
(
てんま
)
の
生
(
うま
)
れがはりか
貴樣
(
きさま
)
といふ
惡者
(
わる
)
の
出來
(
でき
)
て
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
三十
圓
(
ゑん
)
どりの
會社員
(
くわいしやゐん
)
の
妻
(
つま
)
が
此形粧
(
このげうそう
)
にて
繰廻
(
くりまわ
)
しゆく
家
(
いゑ
)
の
中
(
うち
)
おもへば
此女
(
このをんな
)
が
小利口
(
こりこう
)
の
才覺
(
さいかく
)
ひとつにて、
良人
(
おつと
)
が
箔
(
はく
)
の
光
(
ひか
)
つて
見
(
み
)
ゆるやら
知
(
し
)
らねども、
失敬
(
しつけい
)
なは
野澤桂次
(
のざわけいじ
)
といふ
見事
(
みごと
)
立派
(
りつぱ
)
の
名前
(
なまへ
)
ある
男
(
をとこ
)
を
ゆく雲
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
まだ縁づかぬ妹どもが
不憫
(
ふびん
)
、姉が
良人
(
おつと
)
の顔にもかかる、この山村は代々堅気一方に正直律義を
真向
(
まつかう
)
にして、悪い
風説
(
うわさ
)
を立てられた事も無き筈を、天魔の生れがはりか貴様といふ
悪者
(
わる
)
の出来て
大つごもり
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
三十円どりの会社員の妻がこの
形粧
(
げうそう
)
にて繰廻しゆく家の
中
(
うち
)
おもへばこの女が小利口の才覚ひとつにて、
良人
(
おつと
)
が
箔
(
はく
)
の光つて見ゆるやら知らねども、失敬なは野沢桂次といふ見事立派の名前ある男を
ゆく雲
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
身はいにしへの斎藤
主計
(
かずへ
)
が娘に戻らば、泣くとも笑ふとも
再度
(
ふたたび
)
原田太郎が母とは呼ばるる事成るべきにもあらず、
良人
(
おつと
)
に未練は残さずとも我が子の愛の断ちがたくは離れていよいよ物をも思ふべく
十三夜
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
これにも腹はたてども
良人
(
おつと
)
の遊ばす事なればと我慢して私は何も言葉あらそひした事も御座んせぬけれど、
朝飯
(
あさはん
)
あがる時から小言は絶えず、召使の前にて散々と私が身の不器用不作法を御並べなされ
十三夜
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
これでも折ふしは世間さま並の事を思ふて恥かしい事つらい事情ない事とも思はれるも
寧
(
いつそ
)
九尺二間でも
極
(
き
)
まつた
良人
(
おつと
)
といふに添うて身を固めようと考へる事もござんすけれど、それが私は出来ませぬ
にごりえ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
“良人”の意味
《名詞》
良い人。
妻から見た夫。
(出典:Wiktionary)
良
常用漢字
小4
部首:⾉
7画
人
常用漢字
小1
部首:⼈
2画
“良人”で始まる語句
良人操縱
良人宅
良人学校
良人操縦法