“眞向”のいろいろな読み方と例文
新字:真向
読み方割合
まつかう26.3%
まむか21.1%
まむき15.8%
まつかふ10.5%
まとも5.3%
まむ5.3%
まむかう5.3%
まむかふ5.3%
まむこ5.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
差覗さしのぞきしと/\とまた歩行出あゆみだす折柄をりからばた/\駈來かけく足音あしおとに夫と見る間も有ばこそ聲をばかけ拔打ぬきうち振向ふりむくかさ眞向まつかうよりほゝはづれを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
いてる……二時半にじはんだ。……やがて、里見さとみさんの眞向まむかうの大銀杏おほいてふるだらう。
木菟俗見 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「ああ、それは私の爲事しごとの一つでしたわねえ。貴方に吩付いひつけられた。」女は居住まひを直して男の眞向まむきになつた。
計画 (旧字旧仮名) / 平出修(著)
「お駒ちやん。……ハヽヽヽ。可愛らしい名やなア。」と、京子は眞向まつかふから大きな聲を浴せて、綺麗に結つたお駒の頭髮かみと愛くるしい頸筋のあたりとを見た。
天満宮 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
入口に立つてゐた源吉に、眞向まともに光が來た。
防雪林 (旧字旧仮名) / 小林多喜二(著)
かゝとくろいのを眞向まむきにせて、一ぽんストンと投出なげだした、……あたかよしほか人形にんぎやうなど一所いつしよならんだ、なかまじつて、其處そこに、木彫きぼりにうまごやしを萌黄もえぎいた、舶來はくらいもののくつ片隻かたつぽ
印度更紗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
もありなん。大入道おほにふだう眞向まむかうをとこは、たわいなくながら、うゝと時々とき/″\くるしさうにうなされた。スチームがまだとほつてる。しめつたそとすやうな糠雨ぬかあめだ。くさくないはずはない。
雨ふり (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
しか骨董こつとうのつくほどのものは、ひとつもないやうであつた。ひとりなんともれぬおほきなかめかふが、眞向まむかふるしてあつて、其下そのしたからながばんだ拂子ほつす尻尾しつぽやうてゐた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
「あんたが會社へ行かはる時通らはる、あこの耶蘇ヤソ眞向まむこうちに、お父さんと二人きりで住んでゐやはります。」
大阪の宿 (旧字旧仮名) / 水上滝太郎(著)