“振向”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ふりむ85.7%
ふりむき6.1%
ふりむか4.1%
ふりむく2.0%
ふりむけ2.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
るたけ順礼じゆんれいとほくよけて、——人気配ひとけはひうしろ振向ふりむけた、銀杏返ゐてふがへし影法師かげばふしについて、横障子よこしやうじうらまはつた。みせうら行抜ゆきぬけである。
銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
おくれ馳せの老女いぶかしげに己れが容子ようすを打ちみまもり居るに心付き、急ぎ立去らんとせしが、何思ひけん、つと振向ふりむきて、件の老女を呼止めぬ。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
れてたく何處どこへでもれてけ、うち道具だうぐなにらぬ、うなりともしろとて寐轉ねころびしまゝ振向ふりむかんともせぬに、なんうち道具だうぐくせ勝手かつてにしろもないもの
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
差覗さしのぞきしと/\とまた歩行出あゆみだす折柄をりからばた/\駈來かけく足音あしおとに夫と見る間も有ばこそ聲をばかけ拔打ぬきうち振向ふりむくかさ眞向まつかうよりほゝはづれを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
梅花のにおいぷんとしたに振向ふりむけば柳のとりなり玉の顔、さても美人と感心した所では西行さいぎょう凡夫ぼんぷかわりはなけれど、白痴こけは其女の影を自分のひとみの底に仕舞込しまいこんで忘れず
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)