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寐轉
『ハア、今日はお義理でね。
眞實に方々引張られるんで、
遣切れやしない。今日あたり
宅に
寐轉んでる方が、いくら
可いか知れやしない。』
や、
大失敗と、がツかりして、
先づ
本堂の
椽側へ
腰を
掛ける。いつしかそれが
誰先きとなく
草鞋を
脱ぐ。
到頭四
人本堂へ
上り
込んで、
雜談をする。
寐轉ぶ。
ヂオゲンは
勿論書齋だとか、
暖い
住居だとかには
頓着しませんでした。
是は
彼の
地が
暖いからです。
樽の
中に
寐轉つて
蜜柑や、
橄欖を
食べてゐれば
其れで
過される。