“脱”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
46.0%
17.0%
のが15.2%
はず6.7%
はづ3.9%
だっ2.3%
ぬけ1.4%
1.2%
だつ0.9%
ぬぎ0.9%
ぬが0.6%
0.5%
ぬい0.3%
おち0.3%
だつす0.3%
0.3%
はぐ0.3%
0.2%
0.2%
すべ0.2%
ぬかり0.2%
ぬぐ0.2%
0.2%
はが0.2%
まぬ0.2%
まぬか0.2%
まぬが0.2%
オト0.2%
ハヅ0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
衣服いでるほどの大事なのではないが、本街道には難儀ぎて、なか/\などが歩行かれるのものではないので。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
通りすがりの坊さんが帽子をり、汚れたシャツを著た子供が四五人、一様に手を差し出して、『旦那、孤児に何かやっておくんな!』
そして一刻も早くこのような幽鬼の形相かられたいと思った。そのために彼は、隣の化粧室の扉を蹴るようにして中へ飛び込んだ。
地球発狂事件 (新字新仮名) / 海野十三丘丘十郎(著)
真黒の木綿著物——胸の釦をして幅広の黒帯をだらしなく腰のまわりにりつけ、入口へ来るとすぐに老栓に向ってどなった。
(新字新仮名) / 魯迅(著)
急いで本を押しこむと、ふたをしようとしたが、すとき難儀をしたふたは、はめるにも難儀だつた。慌てるとよけいはまらない。
良寛物語 手毬と鉢の子 (新字旧仮名) / 新美南吉(著)
だが、般若丸の名刀が、しようとしたしゅんかんに、はッと気がついたのは(を見るなかれ)という御岳三日神誓である。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
で奉公に置いてやろうが、斯様な断末場に成ると死ぬ気にもなるもんだが、人間と云うものは少しほとぼりがると、苦しい事を
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
爺は、この黒い、白い雪の斑点の付いた昆布のように凍えた合羽を後方に取りけると、女の背には、乳飲児がされていた。これを見た老婆は
凍える女 (新字新仮名) / 小川未明(著)
跡部は荻野等を呼んで、二へることを命じた。その手筈はかうである。奉行所に詰めるものは、づ刀をして詰所刀架ける。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
徐々かけ座敷へ上らんとするに下男の彌助心の彌々迷惑に思ひに何とか云て何れにもらぬやう追出して仕廻んともじ/\手を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
かく言ひつつ彼は艶々みたる鉢割の広き額の陰に小く点せる金壺眼心快げにきて、妻が例の如く外套するままに立てり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
兵部尚書斉泰の白馬極めて駿し、靖難の役この馬人の目に立つとて墨を塗って遁げたが、馬の汗で墨がちて露顕し捕われたとある通り、白馬は至って人眼を惹く。
天道樣が感應まして忠兵衞にはせし者ならん如何にも此長助が一肌でお世話致さんながら一中山樣にて落着の付し事を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
いまなくすべての者を擧げがたし、これ詩題の長きに驅られ、事あまりて言足らざること屡〻なればなり 一四五—一四七
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
ども机上編筆稿るの期約ひしゆゑ、近日て老人が稿本残冊し、其乞く。
明るみから暗いところへ、曲りなりにも緒についた官の意企に従って、そう——かながらも植えつけられた文明の場所から、彼らは進んで、求めて、榛莽の密林の土地にげこもうとしている。
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
取り分け職人仲間の中でも世才に疎く心好き吾夫、腕は源太親方さへ去年いろ/\世話して下されしに、立派なものぢやと賞められし程確実なれど、寛濶気質故に仕事も取りり勝で
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
腕をぎ取られた裸人形の、あの切り口を想わせるような、白布で捲かれた短い腕が、その先をヒョロヒョロ動かしているのを発見したに相違ない。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
が渇くと栗番小屋の側の梨畑から採って来た梨を、皮もかずに、ぐるみ呑み込んでしまう。そしてまた地上にごろりと寝そべって木の間から漏れる雲間を眺める。
差付けらるるを推除くるに、コップはくも蒲田の手をれば、莨盆火入りて発矢と割れたり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
黄金丸は鷲郎とを見合せ、「給ふな」「脱りはせじ」ト、互に励ましつ励まされつ。やがて両犬進み入りて、今しも照射ともろともに、岩角を枕としてりゐる、金眸が脾腹れば。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
立て或松原に差掛りしが此方の松蔭より黒き頭巾にてを隱せし一人の侍士四邊を見廻し立出て忠八暫しと云に驚き見返れば彼の侍士が黒き頭巾を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
が、その意味は周囲の群衆が発する言葉で直ぐ判った。一度水面を離れかけた屍体が、鉤のずれたため、再び水中に落ちたからであった。
死者を嗤う (新字新仮名) / 菊池寛(著)
昔時を繰返して新しく言葉をしたって何になろうか、ハハハハ、笑ってしまうに越したことは無い。云わば恋の創痕が時節到来してれたのだ。ハハハハ、大分いい工合に酒もった。
太郎坊 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
老脱利名累 老いて利名の累をかれ
閉戸閑詠 (新字旧仮名) / 河上肇(著)
そこに直感され願望された真理が絶対のものであるにしても、人の心が十全のものではなく時代の特性と個人の性格とによって特殊である限りは、この結晶は特殊であることをれない。
日本精神史研究 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
ンの少時ではあつたけれども、周三の頭は全ての壓迫かられて、暗澹たる空に薄ツすりと日光が射したやうになつてゐた。眼にも心にも、たゞ紅い花が見えるだけだ。何しろ彼の心はいでゐた。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
此純化したお祭りを持つた迄には、語りされた長い多くのたちの生活の連続が考へられねばならぬ。其はもつと神に近い感情発表の形式をもつてゐた時代である。
髯籠の話 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
而も、河童に関係浅からぬ相撲に、骨をして負ける者の多い処から、愈河童と草人形との聯想が深まつて来た、と思はれる。
河童の話 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)