“昔時”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
むかし67.6%
せきじ29.7%
いにしえ2.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
今の中等人士は昔時むかしの御大名同様に人の手から手へ渡って行って、ひどく大切だいじにされまするので、山も坂も有ったものじゃあ有りません。
旅行の今昔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
しかして今日交戦国の蒙る経済上の損害は、経済の発達せるだけ、経済未発達の昔時せきじに比して、多大なることは言うまでもない。
世界平和の趨勢 (新字新仮名) / 大隈重信(著)
その頃吉原には、金瓶楼きんぺいろう今紫いまむらさきが名高い一人であった。彼女は昔時いにしえ太夫職たゆうしょくの誇りをとどめた才色兼美の女で、廃藩置県のころの諸侯を呼びよせたものである。
明治美人伝 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)