“昔年”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
せきねん83.3%
さきつとし16.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
昔年せきねんの涼味をしのぶに過ぎなかったが、わが国に帝国議会というものが初めて開かれても、ここの柳は伐られなかった。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
昔年せきねん、馬に乗れば切捨てられたる百姓町人の少年輩が、今日借馬に乗て飛廻わり、誤って旧藩地の士族を踏殺すも、法律においてはただ罰金の沙汰あらんのみ。
徳育如何 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
昔年さきつとし防人さきもりの歌という中にあるから、天平勝宝七歳よりもずっと前のものだということが分かる。またこれは防人の妻の作ったもののようである。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
荒男あらしをのい小箭をさ手挾たばさみ向ひ立ちかなるしづみ出でてとが来る」(巻二十・四四三〇)は「昔年さきつとし防人さきもりの歌」とことわってあるが、此歌にも、「かなる間しづみ」という語が入っている。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)