“昔語”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
むかしがたり61.1%
ムカシガタ16.7%
むかしがた11.1%
むかしかた5.6%
むかしかたり5.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
うれかなしい過去の追想おもひで、精神の自由を求めて、しかも其が得られないで、不調和な社会の為にくるしみぬいた懐疑うたがひ昔語むかしがたりから
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
ほゝきドリ—鶯—になつて居た方がよかつた。昔語ムカシガタりの孃子は、男を避けて、山の楚原シモトハラへ入り込んだ。さうして、飛ぶ鳥になつた。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
かれは、けて戸口とぐちると、あおざめた星晴ほしばれのしたそらは、わすれていた、なつかしいおさな物語ものがたりをしてくれますので、しばらくその昔語むかしがたりにききとれて、じっとをみはっていると、とおくで
花の咲く前 (新字新仮名) / 小川未明(著)
医者は煙管きせるにタバコをつめながら始終ニコ/\して、そんな昔語むかしかたりが楽しさうだつた。強い近眼鏡をとうして見える彼の眼は、正午の猫のやうに細くて愛嬌がある。
念仏の家 (新字旧仮名) / 小寺菊子(著)
「世には不思議な事もあるものですな、実はこの婦人については一条のはなしがあるので」と、さきの別荘の番人が語った通りの昔語むかしかたり、それを聞けば最早疑うべくもないが、いまは百年も昔の事
画工と幽霊 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)