“懐疑”のいろいろな読み方と例文
旧字:懷疑
読み方割合
かいぎ78.9%
うたがい10.5%
うたがひ5.3%
スケプチック5.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
あの女に逢うまでは、このような疑惑は、ほとんど起らなかったのだ。あのバーミンガムの女こそは、懐疑かいぎ陰鬼いんきみたいなものであった。
英本土上陸戦の前夜 (新字新仮名) / 海野十三(著)
あの光と、熱と、夢のない眠より外に願わしいことも無くなってしまったような懐疑うたがいの底の方へ。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
うれかなしい過去の追想おもひで、精神の自由を求めて、しかも其が得られないで、不調和な社会の為にくるしみぬいた懐疑うたがひ昔語むかしがたりから
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
烏のついでに蝙蝠こうもりの話が出た。安倍君が蝙蝠は懐疑スケプチックな鳥だと云うから、なぜと反問したら、でも薄暗がりにはたはた飛んでいるからとなぞのような答をした。余は蝙蝠のはねすきだと云った。
ケーベル先生 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)