“うたがい”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
84.0%
疑惑6.9%
嫌疑3.1%
猜疑2.3%
疑念2.3%
懐疑1.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
これをもってこれを見れば、古来貞操に関するうたがいを受けて弁疏べんそするあたわず、冤枉えんおうに死せし婦人の中にはかかる類例なしというべからず。
押絵の奇蹟 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
「なるほど、その疑惑うたがいもっともだが、あのお延と拙者とは、前から深い仔細があるのだ。少し甘いところは辛抱して、その来歴を聞いてくれ」
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ここへ倅が帰って来ると不可いけませんから……。彼児あれは正直者ですから、ひとから嫌疑うたがいを受けて家捜やさがしをされたなどと聞くと、必然きっとおこるに相違ありませんから……。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
夜昼となくその高殿から、嫉妬ねたみ猜疑うたがい呪咀のろいとをもって、妖精のように桂子が、自分たちを看視していることだろう。
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
そして、再び夫の許へ帰ることの出来ない様な疑念うたがい恐怖おそれとに打たれた。生家へ出掛けて行ってみた時の豊世は、果して想像の通り引止められてしまった。
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
その寂寞せきばくやぶる、跫音あしおとが高いので、夜更よふけ里人さとびと懐疑うたがいを受けはしないかという懸念から、たれとがめはせぬのに、抜足ぬきあし差足さしあし、音は立てまいと思うほど、なお下駄げたひびきが胸を打って、耳をつらぬく。
星あかり (新字新仮名) / 泉鏡花(著)