“跫音”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あしおと96.4%
きょうおん1.7%
あのと0.6%
あしあと0.4%
きようおん0.4%
アシオト0.2%
あしをと0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それでぼくは現場をとっつかまえるつもりで、そっと跫音あしおとをしのばせて階段を上った。ぼくの部屋のまえに立って、扉に耳をつけた。
お守り (新字新仮名) / 山川方夫(著)
その深遠なるバッハ再検討の大題目をひっさげ来りて、当代音楽界の一部に空谷くうこく跫音きょうおんにも似たものがあるだろう。
疾行する狼の跫音あのとをおそる。
蝶を夢む (旧字旧仮名) / 萩原朔太郎(著)
その静かな音をさせて、誰か二階の上り口から、こちらの方へ跫音あしあとを忍ばせて来る様子であった。
墓が呼んでいる (新字新仮名) / 橘外男(著)
跫音きようおんみだれて、スツ/\とれつゝ、ひゞきつゝ、駅員えきゐん驚破すわことありげなかほふたつ、帽子ぼうしかたひさしめて、そのまどをむづかしく覗込のぞきこむだ。
銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
又暫らくして、四五人の跫音アシオトが、びた/″\と岡へ上つて来た。年のいつたのや、若い僧たちが、ばら/″\と走つて、塔のやらひの外まで来た。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
けさもまづしい病詩人びやうしじんがほれぼれとそれをきいてゐました。ほかのものの跫音あしをとがすると、ぴつたりむので、だれもそれをいたものはありません。
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)